地籍データが整備されていたら、復興にあれほど時間はかからなかったし、住民同士のわだかまりもあれほどにならなかったとも言われております。地震以外の
河川はんらん後の復旧も同様であります。
第四に、
公共事業の円滑な推進であります。官・民境界が確定していない場合、道路舗装、
下水道敷設及び
維持管理等、
公共事業の円滑な推進を阻害する要因となっております。さらに、道路機能をアップするための拡幅事業や河川環境の整備における用地買収などにおいても、
地籍調査結果が大きく事業の推進を左右することとなります。
第五番目に、公平な
固定資産税の評価であります。税法の理念は公平性にありますが、
地籍調査を終了していない地域の
固定資産税評価は、公図を座標変換などの測量技術を用い、現地の地形図とは別物の地形図を作成し
固定資産税額を算出しております。
地籍調査により「税の公平性」を確保すべきであります。
第六番目に、土地取引の迅速化・経済の活性化があげられます。土地評価の価格が
バブル崩壊後下がり続けておりますが、
地籍調査が整備されていない地域では、土地取引に裁判が絡むなど土地取引の迅速性が確保されない事例等があり、強いては
経済活性化の阻害要因と言われております。
最後、七番目として、地図混乱の解消であります。
地図混乱地域といって、公図と現況図の乖離はもちろんのこと、
公図そのものに不備があり、地権者がふくそうしていたり相続上のトラブルが発生する地域が国土に多数存在しております。土地を購入したが、測量すると家を建てる土地が消えてしまったなどが事例として挙がっております。このような地域は和解方式などで解消されておりますが、
地図混乱地域を含む広域の
地籍調査が必要であります。
次に、日南市の事業計画によりますと総面積二百九十四・四六平方キロメートルのうち二百九・八二平方キロメートルが
調査対象面積で、平成二年度から吾田地区の中心部を皮切りに着手し、平成十三年度までの進捗率は、正確には七・五九%であります。
これを、他の八市と比較しますと十四年三月現在で宮崎市十八・八二%、都城市六五・〇八%、延岡市十二・七三%、小林市十四・二%、日向市十五・三五%、串間市八・四五%、西都市十一・八%、えびの市三八・五二%となっております。
県下九市の中で、日南市の進捗率は最下位であります。お隣の北郷町は一〇〇%を完了、南郷町は八七%の進捗率であります。日南市の
地籍調査の進捗率は大変低く、現在のままでは市全体の事業完了までに八〇年から九〇年の期間を要することとなるため、
調査面積を倍増し職員の増員と事業費の予算化がぜひ必要なのではないでしようか。
この
地籍調査は、社会資本を整備していく上でも必要不可欠なものであり、また、国民の貴重な財産を守る点からも非常に重要な事業であると考えます。子孫に伝えるプラスの遺産として
地籍データを整備すべきであると痛感する次第であります。
以上のことを踏まえて、次の四点について市長の見解をお伺いをいたします。
第一点目は、何が原因で調査が進まないのか。二点目は、
地籍調査により公平な
固定資産税額を算出すべきではないか。三点目は、
調査面積を倍増し、職員の増員と予算化を図る考えはないか。四点目に、
農山村部では高齢化・過疎化が進んでいるため、
農山村部から取り組んだらどうか。
以上の四点であります。
次に、
下水道終末処理場の
汚泥処理方法についてお伺いをいたします。
下水道の整備率は公衆衛生や環境保全など、先進国の文化水準を推し量るバロメーターとされてきました。全国では、七割を超えた
汚水処理施設の整備率であるが、
都道府県別では東京都、神奈川県、兵庫県の三都県が九〇%を超えたのに対し、和歌山県、徳島県、島根県は、五〇%に満たないのであります。同様の格差は市町村にもあります。人口五万人未満の自治体における
平均整備率は四九%でありますが、これに対して五万人以上の都市では八〇%に達しております。このような格差が生じるのは、住宅の集中した都市から整備が進められているからであります。
しかし、このような手法は
住宅密集地では有効な反面、農村部と山間部では点在する住宅を結ぶ下水管を敷設する経費と時間がかかりすぎる問題があるわけであります。
日南市におきましては、昭和五十九年四月から汚水処理が開始され、現在の整備面積三百五十ヘクタール、処理人口一万三千八百五十人、認可区域の整備率六六・四%、普及率二九・六%であります。
ちなみに、県下九市の普及率の平均は三五%であります。
本題の
汚泥処理方法についてお伺いをいたします。
一年間に排出される汚泥の量は約一千三百トン余りで、月平均にしますと約百十トン余りの量であります。これらの汚泥は埋め立てによる処理がなされているようであります。悪臭等の公害については、現在のところないとのことでありますが、日南市
環境基本計画の中にもうたってある環境保全への取り組みの点からも、
埋め立て方式をやめて
リサイクル活用をした方がよいのではないかと考えますが、市長はどのような御所見をお持ちか、お伺いいたします。
次に、
市道西迫線道路改良についてお伺いをいたします。
殿所に所在する
市道西迫線は
市道風田線と
市道殿所甲東線が交差する所より右に入り込み、再び
殿所甲東線に継続する延長四百九十四メートル、道路幅は二・五メートルの市道であります。
道路幅員が狭く、側溝については素掘りの小さな溝が所どころにあり、約二十センチぐらいの側溝が延長の半分ぐらいに布設されている状況であり、大雨時には道路が冠水し排水が非常に悪く、付近の住民は大変不便をかこっている状態であります。
火災時の水利については、防火水槽と消火栓が設置されておりますが、緊急時の住民の不安が解消されないのであります。三十世帯余りが共有する
生活用道路として早急な整備が必要であると思われますので、よろしく善処していただきますよう、お願いをいたします。
以上で、壇上からの質問を終わります。
[降壇]
[市長 北川 昌典君 登壇]
市長(北川昌典君)おはようございます。長友議員の質問にお答えいたしたいと思います。
まず、日南市の
地籍調査の進捗率が
県内最下位であるが、何が原因なのか。それと、
調査面積を倍増するため、職員の増員と予算化を図る考えはないかとの御質問でございますが、本市の
地籍調査は
一筆あたりの面積の狭い
中心市街地から着手し、開始時期も平成二年度と他市町村に比べ随分と遅れて実施したことが進捗率の低い主な原因でございます。
地籍調査は現在、職員四名と嘱託職員二名で行っております。平成十三年度から国の規制緩和により現地調査などが民間に委託できるようになり、本市でも市内の測量会社二社に一調査区ずつ委託して面積を拡大してまいりました。職員増や予算増につきましては、さらに
調査面積を拡大するために今後これまで以上に民間活力を導入して、その進捗状況を見ながら検討してまいりたいと、このように考えております。
次に、
地籍調査により公平な
固定資産税額を算出すべきであるとのお尋ねでございますが、本来、
固定資産税は登記簿上の地積で課税することになっております。したがいまして、
地籍調査完了地域につきましては、調査後の地籍で課税すべきではありますが、
地籍調査後の地籍で評価課税を行った場合には、
調査完了地域と未完了地域との間で地籍の増減により負担の公平を欠く恐れがございますので、不適当と判断されるものにつきましては、調査前の地籍で課税しております。
なお、現在進めております吾田地区がすべて
調査完了した時点で、吾田地区はすべて調査後の地籍で課税を行いたいと存じます。御理解を賜りたいと存じます。
次に、
農山村部では、高齢化・過疎化が進んでいるため農村部から取り組んだらどうかとのお尋ねでございますが、日南市のこれまでの調査は、宅地を主とした吾田地区から始めた関係で、農村部については、あまり調査が進んでおりません。しかし、山林につきましては、境界の確認ができる方々が年々高齢化している関係で、早めに調査を進める必要があると考えております。このため、吾田地区が完了する予定の平成十八年度以降の実施地区については、このような問題も十分考慮しながら取り組んでまいる考えでございます。
次に、
下水終末処理場の汚泥処理についてお尋ねでございますが、
汚泥処理方法といたしましては、
埋め立て処分、焼却処分及び肥料化による処分方法がございます。現在、日南市では、
下水終末処理場内に
埋め立て処分用地が確保できていることと、また経費節減のため埋め立てによる処理を行っているところでございます。
長友議員、御提言の
リサイクル活用の肥料化につきましては、今後、検討しなければならない問題とも考えております。
次に、
市道西迫線の道路改良についてのお尋ねでございます。
西迫線につきましては、関係者の同意が得られ、地元区長さんからも要望書が提出されているところでもございます。議員御指摘のとおり、市といたしましても西迫線については、道路改良が必要な路線であることは十分認識をいたしておるところでございますが、議員がおっしゃるように「早急な道路の改良を」というお話でございますけれども、諸般の事情もございますが、現在事業を実施している路線の進捗状況を見ながら事業に着手しなければ、なかなか全体的に進んでいかないということでございますので、そうした順次着手する計画でございますので、御理解をいただきたいと思います。
以上でございます。
[降壇]
五番(
長友昭三郎君)税の公平性という点から、二、三質問させていただきます。
地籍調査完了後に地籍が減った部分については新しい課税をされ、ふえた分については、公平を欠くから課税しないというような答弁だったと思いますが、これでは
地籍調査を進めるごとに、調査区域がふえるごとに、
固定資産税の減収につながるのではないでしょうか。調査が済んで面積が減になった場合には、その新しい、正しい面積で課税をする。ふえた分については、
調査完了地域と未完了地域の公平を欠く恐れがあるということで課税されないというふうに、今、市長確かおっしゃったと思うんですけど、ふえた分についての課税は調査が済んだ時点でされていないのでしょうか。それについてお伺いします。
税務課長(
鎌倉秀嗣君)議員御指摘のとおり、
固定資産税の課税につきましては、調査やっているところは、減った方については減った不利益を生ずるということで減った面積で課税をしております。ふえた分については、調査前の地籍で課税しているのが現況でございます。
これは、平成二年度から吾田地区が課税になったわけですけど、例えば、
市役所周辺からまず始めたということになりますと、平成二年度からここらあたりが調査に入ったわけですが、この三年後に登記済みということで新しい地籍で登記されるわけなんですが、それで、平成五年からふえた面積で課税しますと、これまで十年間にわたってふえた面積で課税をしていくということ。
それと、例えば、この周辺が現在の十五年度から課税をするということになりますと、十八年度からの課税ということで、その辺の不公平が出てくるわけです。先にやったところと後でやったところで、そういう不公平さが出るということで、調査に入る時点からその辺を関係課と協議して、
調査完了後に新しい地籍で課税すると、また、地籍の
推薦協議会等の地権者や区長さんを集めた協議会等の説明でも、ふえた方に対しては
調査完了後に新しい面積で課税をしますということで御説明しているところでございます。
したがって、先ほど市長が申したように、吾田地区が完了した時点で、全地区に新しい面積で課税するというのが適当であるということで、そういう処理をとっているところでございます。
五番(
長友昭三郎君)わかりました。
日南市の場合、現在のペースでいきますと、
地籍調査が完了するのに、壇上からも申しましたけれども、八十年から九十年ぐらいかかるのではないか。全く気の遠くなるような話でありますが、
地籍調査の手法等を含め、どのようにすれば調査が進むのかを考える必要があると思います。特に
農山村部では高齢化・過疎化が進んでおりますので、
農山村部の方から、市街地も今やっておられますけど、
農山村部の方も調査を進められたらどうかということですが、どうでしょうか。
市長(北川昌典君)
農山村部と、それから、市街地ということで、いろんなあれをするわけではございませんけれども、今、長友議員がおっしゃるのは、早く進捗率を上げていく。そのためには、
農山村部の方からやった方が進捗率が上がりはしないかという話だと思いますけれども、確かにそのとおりだと思います。
ただやはり
農山村部の場合は、また早くやらないと昔は山に手入れに行ったり山に愛着を持った人が多かった。だから、境界についても、ちゃんと自分の所有の境界はわきまえてというか承知しておられたわけですけれども、今もう、子供さん孫さんになりますと山をいっぺんも行ったこともないということで、境界すらどこにあるのか、自分の山がどこにあるのか知らないという状況もある。これではやはり、将来において大変な状況が起きてくるので、
農山村部、山の方から先にやるべきだという御意見もございます。
そういう面も踏まえながら、どこを先にやる遅くやるということではなくて、そういった状況というものも十分勘案をしながら進めてまいらなければならない問題だと思っております。
ただ、壇上からも申し上げましたけれども、市街地といいましょうか、住宅街、市街地の場合、土地が狭くて一筆が五、六十坪からところからずっとあるわけですけれども、そういうので、また、隣との境界もそう簡単にいかないところもあります。そういう面で手間が時間がかかっているということも事実でございますが、そういう分がもう大方、吾田地区が済みますと、今度は飫肥。市街地としては、油津の市街地ということになりますけれども、そういった点と山とどういうふうに調合させていくかということですが、ただ、今職員をふやせと、こういうお話にはなかなかならない。今日の財政状況の面と、それからもう一つは
市町村合併との関連もございまして、
市町村合併があるから早くするべきではないかとおっしゃればそれまでなんですけれども、そういったもろもろの点がありまして職員の増というのは非常に困難。
したがって、今、規制緩和によりまして委託ができますので、そういった委託業者に多くを持っていただくと、そこに職員がついて整理していくということになるわけですから、そういった面をさらにふやしていかなければ、なかなか到底進捗率を上げることはできないという部分もございますので、そういった点を今後やりたい。
もう一つは、
公共事業がありますが、道路関係ですね。こういったところを受託者がふえますと、
公共事業をやるところについて、そのときに一緒にやっていきますと経費の面でも安く上がるし、工事も早く進みますし、そして、そこの地域の調査が済むと、こういう点もあると思いますので、そこらあたりも総合的にしながら、できるだけ早く追いつけ、追い越せはできませんけれども早めに完了するような計画をつくっていきたいと思っております。
五番(
長友昭三郎君)次に、
汚泥処理方法について、一点お伺いいたします。
日南市は、今、
埋め立て方式による処理を行っております。他の八市については、どのような
処理方法がなされているのか、教えてください。
下水道課長(谷口孝雄君)お答えをいたします。
県内各市におきます
汚泥処理状況について、お答えをいたしたいと思います。
県内九市のうち
公共下水道を供用開始をしておりますのは、日南市を含めまして七市であります。宮崎市及び延岡市につきましては、焼却及び肥料化による処理がなされておるところであります。また、都城市、日向市、西都市、小林市の四市につきましては、すべて肥料化による
処理方法という状況にございます。
以上でございます。
五番(
長友昭三郎君)今のお答えでいきますと、日南市だけが埋め立てを行って、あと宮崎市は
自主処理場によっての焼却、または一部
乾燥堆肥化、延岡市は二分の一を焼却して二分の一が
リサイクル、他の六市は
全量堆肥化、つまり
リサイクルをしております。
埋め立て処理場があと何年もつのかどうかわかりませんが、これはやはり日南市の
環境基本計画の中にも、環境保全への
取り組み等がうたわれておりますので、ぜひ、
埋め立て方式をやめて
リサイクル活用にされた方がいいのではないかと思いますがいかがでしょうか。
下水道課長(谷口孝雄君)お答えしたいと思います。
あと日南市の方で、処理場の方に処分用地が建設できる余地があるわけでございますが、あと二カ所程度建設する余地があるというような状況で、あとおよそ現施設を含めまして六年間程度につきましては埋め立てが可能でございますが、先ほど市長の方で答弁を申し上げましたように、今後、肥料化による処分方法について早急に検討をしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
以上でございます。
五番(
長友昭三郎君)最後に、西迫線について要望でございますが、いろいろ改良するところがいっぱいあると聞いておりますが、西迫線につきましても一日も早く整備をしていただきますように要望いたして、終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。
議長(井戸川 宏君)引き続き、三番、
中尾貞美議員の登壇を許します。
[三番 中尾貞美 登壇]
三番(中尾貞美君)おはようございます。
改政クラブの中尾でございます。自由質問させていただきます。
通告に従いまして三項目について質問させていただきます。市当局の明快な御答弁をお願いいたします。
なお、質問に入ります前に、前
鶴河川緑地の桜の植栽や大迫寺の仁王像の上屋の修復ができ、地域の方々が大変喜んでおられますことを報告し、御礼にかえさせていただきます。
それでは、質問に入らせていただきます。
まず最初に林業の推進についてお尋ねいたします。一点目といたしまして、県木指定に伴い
オビスギの展示林の設置と「
飫肥杉記念館」を設置するお考えはないか、お尋ねします。
来春、西都市で開かれます
全国植樹祭を機会に追加して選ぶ県の木にヤマザクラと
オビスギが今年の二月七日に決定いたしました。宮崎県の木として
オビスギが選ばれたことに日南市としても大変に名誉なことであり、飫肥の地名がつけられた
オビスギがいかに県内、あるいは全国的に有名であり、県木として相応しいと県民の皆様が認めていただいたかが伺えるものと思われます。
さて、
オビスギが県木として選ばれたことを記念して、これが
オビスギだという展示林を何カ所か設置するお考えはないか、また、案内板等を設置するお考えはないかお尋ねいたします。
さらに、これを機会に
オビスギ材をPRするためにも、
オビスギ材だけを使った県木指定に伴う「
飫肥杉記念館」を建設するお考えはないか、お尋ねいたします。
次に、
市有林林間を生かした
特用林産物の研究開発についてお尋ねします。先日、
林業グループで志布志と大根占の林業地を視察してまいりました。大根占では、
特用林産物のサカキやヒサカキを関東、関西へ常時出荷されている方に研修を受けましたが、町有林が間伐してあり、その林間一体にサカキが植栽してあり、四年目ぐらいに収穫ができるとのことでした。
杉林は間伐が徹底しており、杉も立派な森として形成されており、その下層木としてサカキが植栽してありました。日南市も市有林が四百ヘクタール程度あるのではと思いますが、日南市として市有直営林の林間を生かした
特用林産物の研究開発を行う考えはないか、お尋ねいたします。
次に、水と土をはぐくむ森づくりについてお尋ねいたします。
以前にも似通った質問をしておりますが、今回は枝打ち、間伐で森が蒸発散量の調整機能を持つことについてお尋ねいたします。この内容は、『森と水』という本の中から抜粋しております。森があればあるほど川の水がふえるわけではありません。なぜなら森は蒸発散によって水を大気へと戻す働きを持っているからです。ですから渇水を緩和するには、間伐や枝打ちなどをして葉量を減らして蒸発散量を減らした方がいい場合も出てきます。
特に若い時期の人工林は葉量が多く蒸発散量が多いので、若齢林期には効果的な保育作業が必要です。老齢林は葉量が減少し蒸発散量も比較的少ないとあります。
このように考えますと、日南市でも渇水の状態が幾度となく繰り返されておりますが、山頂付近の広葉樹を伐採したことにもよりますが、山林のほとんどが人工林であり材価の低迷に拍車をかけて手入れのしていない若齢林が多く、間伐の遅れやここでいわれる杉等に見られる葉量の多さで蒸発散が多いとも考えられます。下流域が渇水に見まわれることも予想されます。
間伐については、各種の補助事業で取り組んでおりますが、蒸発散を調整する枝打ちについても何らかの対策を講ずべきと思われます。水と土を育む森づくりを推進するための事業の展開はできないか、お尋ねいたします。
次に、飫肥前
鶴河川緑地の整備についてお尋ねいたします。
昨年の三月議会で前
鶴河川緑地の整備について質問いたしましたが、その後、前鶴や楠原地区の活動を見ておりますと、地域の方々が年に三、四回程度の河川や堤防の草刈りや清掃を行っておられます。
また、冒頭に申しましたように、対岸につきましても今回、飫肥地区の方々で桜等を植える会を計画し、桜やヒトツバタゴを植栽していただき、子供たちなど約八十数名が参加したボランティア活動により清掃活動も行っていただいております。また、地域の方々が朝夕散策に親しまれ、保健保養の場として広く利活用されております。
その中で、前鶴橋下流域の堤内での散策をされる方も多くありますが、一部に低水護岸が設置されていない箇所や、部分的に土砂の堆積も見受けられます。また、対岸側も戸高川排水路より下流側の護岸が整備されておらず、竹やぶが繁茂しており景観上好ましくありません。
なお、対岸には桜等が植栽され桜並木ができつつあります。地域の方々が熱心に清掃活動を行っておられ、桜等の植栽も続けていきたいとの地域の強い要望もございます。
このように市民や、さらに児童、生徒が水辺に親しみ、自然と環境を大切にしていく保健保養の場として、環境を考える場として、低水護岸や護岸の整備と、堤内敷の広場を散策のできる芝広場を設置した市民いこいの場として河川緑地の整備ができないか、お尋ねいたします。
次に、飫肥のまちづくりについてお尋ねいたします。
一点目といたしまして、ポケットパーク的な駐車場の整備はできないかお尋ねいたします。
飫肥の観光については、大手門の観光駐車場に来ていただいて、そこから上の方を見ていただくことが当たり前のように定着しておりますが、今回、町おこしグループで独自に飫肥城下町散策コースというパンフレットとマップを作成いたしました。
その中でも、観光駐車場から飫肥城の方だけという視点ではなく、広く飫肥の町を見ていただく観光コースになっております。そういった場合に、少数で車を止めて散策されるのに、なるべく近い場所に車を止めるところがあると観光客も回りやすいと思います。飫肥の町を全体的に散策することの利便性を高めるために、ポケットパーク的な駐車場の整備はできないか、お尋ねいたします。
次に、飫肥の庭園のPRを積極的に行うことができないかお尋ねをいたします。このことにつきましては、昨年の九月議会でも触れておりますが、飫肥の庭園については、先ほど申しました町おこしグループの飫肥城下町散策コースの中に組み入れてあります。先日、名勝庭園などの維持管理に携わる文化財庭園保存技術者協議会の会員十八名が、旧報恩寺庭園などで技能練磨の実習をしたとありました。
その中で、旧報恩寺、五百祀神社の庭園については、岩をうまく活用したスケールの大きい庭で、特に三連続の石橋は珍しいといわれたようです。
また、豫章館庭園、旧伊東伝左衛門家庭園など七カ所の庭園で実習され、その結果を報告書にまとめられるとありましたが、その報告書の内容はどういった内容なのか、お尋ねいたします。
なお、その報告書に基づいて飫肥の七カ所の庭園、あるいは日南市内にある由緒ある庭園をもう少し詳しく調査研究し、資料等を作成し、歴史ある飫肥の庭園、あるいは日南の庭園として積極的にPRすることはできないか、お尋ねいたします。
次に、今回、町おこしグループによる飫肥城下町散策コースとマップ作成に関連した案内板等設置についてお尋ねいたします。
この質問につきましても先の議会で質問をしておりますが、再度お尋ねいたします。
今回、この飫肥城下町散策コースは、飫肥城コース、小村寿太郎侯コース、寺社仏閣コース、商人町コース、武家屋敷コースと九コース六十八カ所を設定してございます。なお、このコースの中には個人の所有されている箇所もあり、設置の了解をいただかないと案内板を設置することはできないと思われますが、了解をいただけたとしたら相当な数になります。
なお、現在、南那珂エコミュージアムの中で月一回のペースで会議を持ち、各地域の特色あるものを計画しようと推進中であり、その中でこの案内板の設置については提言をいたしておりますが、聞くところによりますと、案内板等については南那珂全体でとりまとめをして一つの予算項目で計上することになるのではというお話でしたが、飫肥地区の場合は数も多く相当な経費が必要になるのではと思われます。
もちろん、まだエコミュージアムの方でどれだけの予算が計上できるのかもお聞きしておりませんが、このエコミュージアムの中でどの程度設置可能なのか、あるいは南那珂全体を見たときに年次的に地域別に設置が可能なのかお尋ねいたします。
なお、長期化するのであれば、他の方法及び何らかの事業で設置することはできないかお尋ねいたします。
次に、仮称「飫肥まちぐるみ博物館」についてお尋ねいたします。
このことにつきましても、十二月議会で同じような質問をさせていただいております。聞くところによりますと、以前の飫肥の町並みといいますか各商店の屋号の入ったものが出てきたり、古い町並みの写真が出てきたりしたとか聞いております。以前から申しております古民具等の展示や、今回の屋号や古い写真等を組み合わせた飫肥と商店街のまちづくりはできないかと模索しております。
今回、同じように古い町並みを生かしたまちづくりを展開されている大分の豊後高田市へ、三月九日にまちづくりグループと商工会とで視察研修を行ってきております。物まねをするということではなく、飫肥の歴史的背景を生かし飫肥に何が必要なのかを考えた特色あるまちづくりをするために、飫肥の町の実情を調査研究し、そのことを何回か検討し飫肥の町に相応しいまちづくりができればと考えております。
この質問については、十二月議会でも同じ質問をしており、そのときの当局の回答としては、南那珂エコミュージアムの中で検討していきたいといわれております。聞くところによりますと、エコミュージアムの予算内容は、南那珂全体、あるいは日南市全体としてとらえるもので、このエコミュージアムの中では、現在、日南市では三グループに班を編成し検討しておりますが、必ずしもこの内容にはならないし、その班ごとの内容は多少違ったものであると思われます。
そして、予算的にも各班ごとで使われる経費はわずかなものではないかと聞いております。したがいまして、このエコミュージアムの予算の中ではあまり期待できないのではないかと思われますので、仮称「飫肥まちぐるみ博物館」について、その他の事業で取り組むことはできないか、お尋ねいたします。
次に、俳人、小村西木について調査研究をするお考えはないかお尋ねいたします。
先ほどから申しております飫肥の散策コースの中で飫肥の空也寺を紹介しておりますが、その中で空也寺に小村西木という俳人の墓があることを聞きました。俳人については、あまり詳しくわかりませんが、当時その小村西木は陸奥国松島、今の宮城県に俳人大淀三千風を尋ね師事しており、その小村西木の養子に旧日高小村西雪がいて西雪は西木の分家にあたるとあります。その西雪も三千風に師事しており、俳人大淀三千風が編集した詩歌句集に『日向オビ西木』『同妻』『西雪』などの句が入っているとあります。
この詩歌句集について、どのような内容なのかお尋ねいたします。なお、このように飫肥にも俳人がおられたことを知り、歌集があるのであれば市民に知ってもらうことも大事なのではと思われますが、その人なり歌集なりを調査研究をすることはできないか、お尋ねいたします。
最後に、小倉処平の顕彰についてお尋ねいたします。
先日、
林業グループで北川町の小倉処平の自刃の地へ行ってまいりました。市長も現地に行かれたとお聞きいたしましたが、小高い丘の中腹に碑が建っており、地元の人がいつもお参りをしていただけるのか新しい神ジャカキがあげてあり、静寂とした林の中であり、ここで最期を迎えられたのかと深く感銘を受けました。
小倉処平については、一般的には小村寿太郎侯の理解者で、大先輩として知られております。明治元年の戊辰の役では、飫肥藩の外交に尽くしたといわれています。さらに、明治元年には西洋学術の必要なことを飫肥藩に申し入れ、それを受けて藩主祐相公は、ついに長崎へ留学生を送り出すことを決めました。小村寿太郎侯は明治二年春に抜群の成績で振徳堂を卒業し、長崎留学への誘いがかかりました。
そして、明治三年七月、当時は薩摩、長州、土佐、肥前の勢力が強く、当時は誰も大学南校には入れることはできず、処平はこの状況を見て広く天下の英才に大学の門戸を開放すべきと進言し、貢進制度の設置を政府に認めさせました。小倉処平は貢進制度の生みの親であります。
また、小倉処平はこの頃、文部権大亟の役職にいて「英国租税年表」や「英国地方条例」「支那水路誌」などの訳述もされています。明治四年二月には、欧米留学を命ぜられ、イギリスやフランスにおいて政治、経済学を学びました。明治六年「征韓論」が決裂し、明治十年二月国内最後の戦い西南の役が起こり、早速帰郷し志願兵を募り飫肥隊を結成し奇兵隊として三箇中隊を整え、和田越えの戦斗で負傷し自刃されました。
小倉処平は、信念の人、志操の高い人であったといわれております。簡単に述べましても数々の業績や歴史に名を残す英傑の人であります。この小倉処平について、何らかの顕彰の推進と顕彰会を設立するお考えはないかお尋ねいたします。
以上で、壇上からの質問を終わります。
[降壇]
議長(井戸川 宏君)ちょっと休憩します。
=休憩 午前十時五十二分=
=開議 午前十時五十二分=
議長(井戸川 宏君)再開します。
[市長 北川 昌典君 登壇]
市長(北川昌典君)中尾議員にお答えしたいと思います。
このたび新たに
オビスギが県の木として追加決定されたことを記念して、
オビスギの展示の設置と、案内板の設置についての考えと「
飫肥杉記念館」建設の考えについてのお尋ねでございます。
県の木追加のための投票で、五千名を越える投票の中から従来のフェニックスに加えて、ヤマザクラと
オビスギが決定されたことは御案内のとおりでございます。宮崎県の気候風土に最適な樹種で、人工林として美しい景観をつくりだし、生産量日本一を誇り、林業県宮崎のシンボル的存在となっている
オビスギが選ばれたことは、発祥の地として大変名誉なことでうれしく誇らしい気持ちでございます。
お尋ねの展示林や案内板の設置につきましては、否はございませんが展示林として相応しい場所や、林相などを含めて広く森林林業関係者の意見を聞きながら検討したいと思っております。
また、指定を記念して飫肥杉会館の建設はどうかというお尋ねでございますが、それぞれ名称は違いますけれども、南那珂森林組合の方で「林業会館」の建設の計画があるやに聞いております。また、油津地区のまちづくり構想の中に「飫肥杉資料館」建設の考えもあるようでございます。
こうしたそれぞれの団体あるいはそれぞれのグループが計画されておりますのは、心は一つといいましょうか、
オビスギを大事に子々孫々に伝えていこうと、こういう気持ちからだと思いますので、それぞれ違った発想を一つにまとめて、それぞれの団体に協力いただかなければならないわけですが、連携をしながらそれに相応しい会館をつくるように協議をしてまいりたいと思っているところでございます。
次に、市有林の林間を利用しての
特用林産物の研究開発についてのお尋ねでございますが、林間を利用した
特用林産物といたしましては、神事や仏事に用いるサカキやシキミなどの枝物、食用となるキノコ類、薬用樹など多種でございますが、市では、現在、サカキに取り組むことで既に生産組合を結成していただき、栽培技術や共同販売体制などの研究開発に努めているところでございます。
市有林を利用しての研究開発につきましては、除伐、間伐を済ませた林間を利用されることは、混交林造成の上からも大変結構なことではないかと考えております。そういう意味で希望者がおられるならば、希望者に対して便宜を図りたいと考えております。
次に、水と土をはぐくむ森づくりについてのお尋ねでございますが、議員おっしゃるように森に木が多ければ多いほど豊かな水に恵まれるということはないようでございます。森と雨と蒸発散の関係につきましては、いろいろと解明すべき点が多いと聞いておりますので、森林にとってどの程度の樹木密度が適しているのかわかりませんが、日南市の人工林のほとんどを占めている杉にとりましては、間伐、枝打ちは重要な施業でございますので今後とも健全な人工林の育成に努めてまいりたいと思います。
これは、余談なことになるかもしれませんが『森と水』の富山和子先生ではないですね、いろいろ異論というか考えがありまして、杉とかヒノキとかいう針葉樹については、一般的に私どもは、一部の学者は保水量が非常に少ないといわれておりますが、一部専門家は、そんなことはっております。また、お力をいただければありがたいと思っております。
次に、飫肥前
鶴河川緑地の整備についてのお尋ねでございます。
最初に前鶴地区や楠原地区の皆様による河川敷の草刈りや清掃など、日ごろからの愛護活動に対しまして厚く感謝を申し上げますとともに、このたび多数のボランティアの方々によりまして、河川敷の植栽及び清掃活動を実施していただきました。誠にありがたいことでございます。
さて、酒谷川の左岸側低水護岸や右岸側護岸の整備についてでございますが、県当局によりますと、県の土木事務所によりましてJR鉄道橋まで星倉のですね、の区間におきまして、現在河川改修事業に取り組んでいただいておるところでございまして、一日も早い地域住民の生活の安定を図るため河川改修事業を最優先していきたいとのことでございまして、お尋ねの護岸等の整備につきましては、河川改修事業の進捗状況を踏まえながら県当局に要望していきたいと、このように思っております。
また、河川緑地の整備につきましては、当地域の自然環境を生かした河川緑地として、今後、整備手法等について検討してまいりたいと、このように考えております。
次に、飫肥にポケットパーク的な駐車場の整備はできないかとの御質問でございます。観光客のみならず買い物などをしていただく方々の利便性を考慮いたしますと、数台の駐車ができる場所は必要であるというふうに考えております。
今後、飫肥のまちづくりについては、駐車場やポケットパーク、観光散策コースを含め全体的なまちづくり構想の策定が必要であると考えております。まちづくりプロジェクトチーム等関係各課と協議を行いながら、また、地元の皆様方、土地の所有者は地元の方々ですから、その方にも協力していただかないとできないわけでございますから、そういった皆さんも含めた調査研究をしてまいりたいと、このように思っております。
次に、飫肥城下町の庭園についてのお尋ねでございます。
まず、本年一月二十四日から二十六日にかけて文化財庭園保存技術者協議会の実習が行われました。そのことについてお答えをいたします。
文化財庭園保存技術者協議会というのは、日本の庭園文化を保存継承するために国宝や重要文化財庭園の修理や管理を担当している実務経験者によって、平成十四年一月結成された団体でございまして、文化庁の選定保存技術にも選定されております。事務局は京都にありますが、今回の実習は文化庁の調査官の推薦によって飫肥城下町の庭園群がいいとのことで、初めて遠隔地の研修となったということのようでございます。
報告書の方は、現在、取りまとめ中とのことでございまして、まだ手元には届いておりませんが、実習現場での話では、全体として高い評価をいただいたと、このように伺っております。
また、これらの庭園の調査研究と資料等の作成によるPRはできないかとの御提言でございますが、今後、文化財としてのみならず本市の観光資源としても重要な位置を占める可能性がございますので、重要文化財としての指定に向けて前向きに検討してまいりたいと思います。
次に、町おこしグループが作成する飫肥城下町散策コースマップに関連した案内板設置についてのお尋ねでございます。
御質問の中にございましたエコミュージアム南那珂形成推進事業でございますが、現在、南那珂二市二町、それぞれで民間の方々を中心としたワーキングを行っており、その結果としてのアクション・プログラム作成の検討を行っているところでございます。
しかしながら現時点では、十五年度以降の具体的な方向性を定める段階であり、お尋ねの内容について具体的にお答えできる状況でありませんので御理解を賜りたいと思います。
なお、基本的には各市町のワーキングの結果として立ち上がったプロジェクトの推進と、広域的な連携を模索するプロジェクトの推進が大きな柱となる予定でございますので、案内板設置といった具体的な事項に関しましては検討に至っていないという状況でございます。
次に、こうしたプロジェクトは長期化するのであれば、他の方法及び何らかの事業で設置することはできないかとの念押しのお尋ねでございますが、他の事業との整合性もありますが、整備手法については、いろいろあろうかと思います。基本的には先ほど答弁いたしましたとおり、飫肥のまちづくり構想に基づいて進めていくべきだと考えているところでございます。
次に、仮称「飫肥まちぐるみ博物館」について他の事業で取り組むことはできないかとのお尋ねでございますが、他の事業との整合性も考慮し飫肥商店街をとらえるならば、宮崎県商店街活性化戦略支援事業や市単独事業の商業環境対策支援事業補助金制度もございます。
しかしながら、飫肥のまちづくり全体構想に基づいた事業導入が必要でございます。そのためには、時間をかけて行政と住民が一体となった取り組みが必要になってまいると、このように思っているところでございます。
次に、小倉処平の顕彰についてのお尋ねでございます。私自身も昨年でございますけれども、北川の盛武町長に記念碑が立っておるぞというお話で「お前いっぺんもこんじゃないか」ということでございましたので早速お伺いしたところでございますが、この記念碑、議員も行かれたということですが、山の中を八百メートルぐらい傾斜面を上がっていかなければ道がないところですが、自刃の地に立派な顕彰碑が立っておりました。びっくりしましたが、私どもは地元北川町で建てていただいたものとそのように思っておったわけですけれども、さにあらず、松永出身の黒木政治さんという方が、戦後長く川南町の国立病院の院長をされておった方が、退職後に我が郷土の小倉処平を顕彰していないなと、誰もしないのかといって憤慨をされて自費であのすばらしい顕彰碑を建てられたということでございました。ただただ感激をしたところでございます。
このように「飫肥西郷」と呼ばれた小倉処平でございます。「小倉なくして小村なし」とまでいわれて、書物にもそういうふうに記載をされておりますが、そうした小倉処平があって小村寿太郎侯がある。そのことを考えますときに、何らかの形での顕彰は必要かと、このように思っております。
ただ、顕彰をする前に市が行政で主体になっては、なかなかこれは難しいと思いますので、一つの顕彰運動だか柱になっていただいて、それに対して行政が援助、支援をするということは必要ではなかろうかなと思っております。と申しますのは、日南市の先ほどもおっしゃられましたけれども、多くのいろんな遺徳を残されたといいますか功績を残された先人がおられます。全部するわけにはまいりませんが、やはりこうした遺徳をたたえる。そういう顕彰するための何らかの基準というものは必要であろうと思っておりますので、この基準についても制定する方向で検討してまいりたいと思っております。
以上でございます。
[降壇]
教育長(松田惟怒君)中尾議員のお尋ねにお答えします。
飫肥藩出身の俳人であります小村西木についてのお尋ねでございますが、風流を愛し俳諧に秀でたこの西木は、おっしゃるとおり小村寿太郎の先祖にあたる人というふうに考えられておりまして、御質問のとおり陸奥国の俳人、大淀三千風が元禄十四年に上梓しました『倭漢田鳥集』という詩歌句集の中にこの西木のつくりました「しぎさハを問々ゆくや公家飛脚」の句をはじめ、いわゆる城ケ崎俳壇の第一人者であります、西雪のつくりました「姫百合や小糖袋の捨所」など、日向飫肥藩の俳人の句が十一句以上入集しているようでございます。
大淀三千風は、この詩歌句集を上梓する前の元禄十一年には、当市の鵜戸神宮を訪れまして「鴫沢へふきあハせずや鵜の羽風」という句を読んでおります。なお、詩歌句集『倭漢田鳥集』の詳細につきましては、刊行されたものを実際に見ておりませんので残念ながら詳しいことは承知しておりません。
次に、飫肥出身の歌人・俳人の人となり、詩歌句集なりを調査研究することはできないかとの御質問でございますが、これまでにも県立図書館の杉田文庫で有名な杉田作郎氏の『日向俳壇史』、それから、民族学・歴史学者で県の文化財保護審議会委員として御活躍の山口保明氏の『近世期日向文芸史-城ヶ崎俳壇について-』、それから『平成七年度宮崎県地方史研究紀要第二十二輯』などの労作がございますので、それらを参考にしながら今後、調査研究をしてまいりたいと存じます。
以上でございます。
三番(中尾貞美君)再質問を、二、三させていただきます。まず、林業の推進についてですが、県木の指定に伴う関係ですが先ほど市長からお答えいただきましたが、二月二十八日の新聞に「油津地区まちづくり構想の中で、第三期は運河上流にある遊休地へ仮称・飫肥杉資料館建設を行う計画」とありました。この第三期とは何年度なのか。また、この遊休地とは具体的にどこの場所なのか、お尋ねいたします。
都市建設課長(野田和彦君)中尾議員にお答えします。
油津地区のまちづくり構想についての御質問でございますが、構想の中では段階整備案として一期から三期までの約十年以内の整備計画案をつくりました。それから魅力拠点の整備の例としまして、拠点をつくらないといけないという例としまして、資料館の建設も挙げているところであります。
しかしながら、実現化につきましては、整備主体をはじめ整備手法や時期などについて今後詳細にまだ検討していく必要があると考えています。
また、遊休地につきましては、堀川運河上流の水門と花峯橋の間にある運河沿いの土地でありまして、このエリアは現在、港湾整備計画の中で緑地として計画されている場所であります。資料館建設の工法や手法につきましては、今申し上げましたとおり今後の検討課題でありますので今後検討していきたいと考えております。
以上でございます。
三番(中尾貞美君)飫肥杉資料館建設を計画されるということでお伺いいたしましたが、先日、都城の県の木材利用技術センターを視察しております。その中で木材加工部の中で次のような試験研究がなされておりました。それは、
オビスギがなぜ弁甲材が船材に使われたかということで、
オビスギは岩にぶつかっても欠けない。また、大きな釘を打ち込んでも割れない。米マツ等の外材は釘を打ち込むと割れるということで、そういう
オビスギは特性があり、その特性を生かした研究を行っているということです。
また、柱等についても、合わせ材という研究をされているということでした。現在は、接着剤を使った集成材というのが非常に発達してきましたが、この合わせ材というのは、一切接着剤を使わずにイチイガシ等の広葉樹とスギのムク材とを合わせて一つの柱にして、そういう合わせ材というのを研究開発しているということを聞きました。環境にやさしい家づくりと大変興味を持ちました。
このように飫肥杉資料館を建設されるのであれば、もちろん
オビスギをふんだんに使うことは当然ですけれども、新たに
オビスギ材と他の材を組み合わせた材を使って、こんな使い方もありますよとPRしながらスギの特性を生かした工法で建設する。先ほどお聞きしましたら十年ということですから、だいぶ先のことになるとは思うのですけれども、そういった合わせ材等を組み合わせた資料館のお考えはないか、お尋ねいたします。
市長(北川昌典君)これは、ちょっと先の話になりますものですから私の方でお答えしますが、壇上から申し上げましたように、この会館についてはいくつもの発想がございます。森林組合がつくろうというものと、それから林業関係者が考えております会館と、それから港づくりの検討会、三つそれぞれ別々につくるわけにはこれはまいりません。意味がないと思うんです。やはりそういう団体が一緒になりまして、どういうものをつくっていくか、どうした形、
オビスギに相応しいものをつくっていくかということになって初めて、私は立派なものができると思いますので、まだ先のこととは申しませんけれども、早ければそうならんうちに場所なんかについては、まちづくりでやっていくもの。それから、つくるものについては、先ほど言ったように、いろんなものを協議しながら、立派なものをつくっていこうと、こういうことでつくっていただこうと、市がつくるわけではございません。つくっていただこうと、こういう思いでございますので、その点を御理解賜りたいと思います。
三番(中尾貞美君)これは、要望なんですけど、同じく木材加工センターとちょっと関連するんですけれども、三月十日に宮崎で杉シンポジウム二〇〇三というのがございました。議長もおられたんですけれども、その中で基調講演を県木材センターの大熊所長さんの方から講演がありました。東京大学の名誉教授の方です。この方が、今、所長でおられるんですけど、三月に退官されるということなんですが、その方がこの杉の材質、特に県南のスギのことを言われたんですけれども、そういう特徴を最大限に生かして技術開発をするべきということを叫ばれております。
また、同じくそこの木材センターの方で、パネルディスカッションが基調講演の後にあったのですけれども、そのセンターの構法技術部長さんの飯村さんという方も「本県としては成長の早い
オビスギの開発をすべき、そのプロセスを重ねることが地域材活用につながる」と、大変お二方とも県南の
オビスギ材を強調されたんですよ。本当に聞いて大変うれしかったんですけれども、そういうことで県の施設ではありますけれども、この県南地区の
オビスギ材を大変頭の中に入れていただいておられます。
そういうことで、日南市としても積極的にそういう木材加工センターの方々とも機会をもたれまして、いろいろなやはりこちらからの
オビスギ材についての利用開発について、積極的にそういう方々と交流していただきたいと考えております。これは、要望です。
次に、水と土をはぐくむ森づくりについてですが、市長も言われましたように、この蒸発散については私も初めて知ったわけです。この蒸発散量についての関連ですけれども、日南市の水源であります永吉地区から上流域にあります杉等の人口林がどれぐらいあるのか、また、その蒸発散量によって、そういう水の供給としてのバランスがどのような影響を及ぼすのか、もしわかりましたらお願いいたします。
林務水産課長(水口 純君)永吉水源地上流域の人工林の面積と、そこでの蒸発散量、それと水との供給のバランス関係はどうかというような御質問でございますが、まず、永吉水源地上流での人工林の面積につきましては、流域の全体の森林面積はこれは概数でございますけれども一万三百二十二ヘクタールあるようでございます。その内訳を申し上げますと、国有人工林が四千百六十ヘクタール、国有天然林が一千四百七十二ヘクタール、それから民有人工林が四千二百ヘクタール、それから天然林が四百九十ヘクタールというふうになっておりますので、お尋ねの人工林の面積は、だいたい八一%にあたる八千四百ヘクタール程度になろうと思っております。
次に、その人工林についての蒸発散量と水との供給のバランス関係についてでございますが、蒸発散量につきましては、その年々の降水量にもよって違ってまいりましょうし、樹木密度によっても違ってくるというふうに理解をしておりますが、関係機関による調査も行われておりませんし、蒸発散量を推しはかるための係数なるものも把握しておりませんので、蒸発散量を把握するのは現時点では困難ではないかというふうに思っているところであります。
したがいまして、水との供給のバランスにつきましても、どのような判断があるのか正確には判断できない状況でございます。
以上でございます。
三番(中尾貞美君)これは要望ですけど、確かに今言われますように蒸発散量で水がどれぐらい吸い上げられるかというのは、今の時点では大変困難だとは思いますけれども、やはりこの人工林が今言われましたように八一%、八千四百ヘクタールですか。それぐらいあるということですから、それによってもし影響が出れば、相当な蒸発散量があるのではないかというふうに考えます。
ことしは雨が多いせいで川の水がなくなっておりませんけれども、いつもあそこの永吉の水源地は、十二月から二月ぐらいまでは水が枯れます。ことしは雨が多いわけですけれども、やはり戦後、人工林を植林したことによる影響もこの蒸発散量というのはあるのではないかなという気がしたものですから、そういう質問をしてみたところです。これにつきましては、私もいろいろ今後勉強してまいりたいと思います。
また、日南市は
環境基本計画の中にも基本施策で「水環境の保全」、また「水循環の修復」とあり、個別施策の中でも「市内の大半を占める山林は、また、水源の涵養林としても重要であるため、その機能を維持できるよう保全に努めていきます」というふうに明記してございます。また、先ほども言いましたように、人工林の整備過程においてこの蒸発散量が下流域に影響を及ぼすものであれば、もう少し林業を積極的に「水と土をはぐくむ森林づくり」ということで、事業の展開を図っていただきたいと思います。
この環境計画の中でも「日南市において森林の果たす役割は非常に大きいものがあると思われます」とうたってございますので、
環境基本計画を推進することでも、もう少し具体的に日南市独自な森林、森づくりの事業の展開が図られますよう今後、検討していただけるよう要望いたします。
次に、飫肥前
鶴河川緑地、これも要望です。このことも
環境基本計画の中でうたってございます。「快適な公共空間の水辺空間の整備」とか、「環境配慮指針の主な市民の取り組みの環境教育学習」ということに当てはまりますので、先ほど言いましたように、この地域は既にそういったことを実践されております。さらに、河川緑地を整備することで機能を高めた市民参加型の環境づくりを推進することができると思われますので、今後も前向きに検討していただけるように要望いたします。
それから飫肥のまちづくりですが、ポケットパーク的な駐車場ということですけれども、市長が言われました全体的なまちづくりといいますか「飫肥のまちづくり構想」と言われましたけど、何かそういう今後、計画があるのですかね。私、初めて聞いたのですけれども、そういう中でこのポケットパークについては、既に商家資料館の横に駐車場があったり、また、飫肥の町にもある程度市有地があるところがございますので、そういったところをいろいろ利用できる方法はないか、お尋ねいたします。
先ほどの構想については、何かありましたらお願いいたします。
都市建設課長(野田和彦君)十四年度は、もう御存知のとおり油津地区についてのまちづくり構想をつくったわけでございます。今後は、飫肥につきましても、飫肥と油津が連携してある程度交流人口つまり観光客を呼び込むことによって日南市の活性化を図っていこうというふうな考えを持っておりますので、すぐにというわけにはいかないかもしれませんが、早い時期に今度は油津の次は飫肥だと、飫肥についてのまちづくりの全体構想をつくる必要がある。その中で、議員の御質問がありました駐車場、あるいはポケットパーク、あるいは散策コース、そういうものについての総合的に勘案した構想をつくっていく必要があるというふうに考えております。
以上でございます。
三番(中尾貞美君)もし、その飫肥まちづくり構想が何年度ぐらいから始められるというのがございましたら、お尋ねしたいんですが。
都市建設課長(野田和彦君)現時点では、はっきり申し上げられませんが、少なくとも十六年度以降というふうに考えております。
以上です。
三番(中尾貞美君)次に、「飫肥まちぐるみ博物館」の要望でございます。
先ほど言いましたように豊後高田市に行ってまいりました。ここは昭和初期の建物が百軒程度残っております。店の前面をボードを張っておられますのでどこもそうなんですけれども、それをはがして当初建設された当時の姿に戻して昭和のまちづくりという形でアピールしながら再現されて、一店一店がお店のお宝物を展示したり、お店自慢の一品一品を展示されたり、建物の特性とか人物の紹介をされて非常に商工会議所の金谷さんという方が一生懸命やっておられます。テレビにもたくさん出られたということで、今まで全然歩かなかったところに一カ月に一万人ぐらい人がみえるということで、年間に十四、五万人来られたということで、その金谷さんという方が大変一生懸命やっておられまして、私たちもその方に案内していただいたんですけれども大変躍動あふれるまちづくりを展開されておりました。
私たち飫肥のまちづくりと、そういう商工会の方と一緒に行ったんですけれども、商工会の方も大変感銘を受けられまして一生懸命やりたいということで、私たちもまちづくりと商工会とで月に一回か二回ぐらいそういう勉強会を開いて、今後、一生懸命そういう研究会を進めていきたいということでございますので、これからもよろしくお願いいたします。
それから、小村西木についてでございます。
先ほど教育長の方からお答えしていただきましたが、『有名歌人日南の旅』という本を関昌寿さんという方が、市役所のOBの方だと思いますが出版しておられます。それを見ますと、多くの歌人が日南に来て、飫肥、油津、鵜戸の地で多くの歌を詠んでおられます。
例えば、長塚節の「ころぶせば枕にひびく浅川に芋洗ふ子もが月白くうけり」、これは今町橋のところに碑が建ててございます。また、柳田國男の『海南小記』の中の章の「水煙る川のほとり」ということで、これも郵便局の前に石碑が建ててございます。
それと、いろいろあるんですけれども、野田宇太郎の「ドン・マンショ行方も知れぬさみしさの漂ふ飫肥をわれは尋めゆく」とかございます。また、種田山頭火も飫肥に来ておられまして、いろいろ句を詠んでおられます。
このように詠まれた箇所は多くあって、今、石碑が建っているところは別なんですけれども、いろいろ詠まれた場所をある程度推定することができないか。また、推定することによって、そういう俳句の道とか文学の道というのを整備することはできないか、お尋ねします。
それとまた関連ですけれども、今、油津のまちづくりが行われておりますけれども、その油津のまちづくりの中で、こういった油津にもたくさんの歌人が来ておられて、土屋文明という方が「出づる船入る船もなき油津の朝の波止場をただ我等ゆく」や、「油津に來しくもしるしこの宿の庭しづかにて赤榕一もと」、これは油津の上町の鈴木旅館のそばと言われていますが、こういったように油津でもそういう歌が詠まれております。そういったことを取り入れたまちづくりが策定されているのか、そのことについても、もし、そのことが策定されていなければ、そのことも含めて検討していただけることはできないか、お尋ねいたします。
環境保健課長(村山昭男君)今度、新しくつくりました健康カレンダーにつきましては市長答弁にもありましたように、これまで昨年八月アンケートをしました中でいろいろと意見が出されております。紹介をいたしますと「大きいのでかけておく場所がない」あるいは「普通のカレンダーを使っているので、もうカレンダーは必要ありません」あるいは「配布されるのが遅い」四月から翌年の三月までのカレンダーとなっておりますので、そういうことになるわけですけれども、そういう意見。あるいは、それと同じなんですが、今使っているカレンダーを外してまでも、この健康カレンダーをつける考えはないというような意見が多数ありましたので、今回は先ほど市長の答弁にもありましたように、カレンダー形式から事業別のお知らせ形式にしたところであります。
手元にちょっと持ってきておりますので、ごらんいただきたいと思います。これにつきましては、これまでつくっておりました月別のカレンダーです。四月から翌年の三月まで、中にはメモを書けるようになっておりますけれども、これは、かけるところがないという意見が多数ありましたので、今回は事業別に、この検診は何月何日にありますよというふうな形式に軽くてちょっと小型になります。これをかけますとこれだけの広さなんですけれども。新しいやつはこういうことで、そのつど見ていただく。母子健康手帳交付、妊婦・乳幼児健康診査、項目別に見やすいようにしておりますので、これを利用していただきたいということで、このようなカレンダー形式にいたしました。
そしてまた経費につきましては、昨年度が一部二百円程度でできておりますけれども、今回、十四年度の予算で十五年度の健康カレンダーをつくったわけですけれども、今回新しくつくりましたのは単価が九十円程度、約二分の一の単価ということになっております。
以上です。
二番(柏田登美子君)だいぶ経費が節減されたと思います。本当に今後、いろんな面で見直し部分も併せて頑張っていただきたいと思います。では、健康カレンダーに関しましても、私の方からも皆さん活用方法をどんなですかということを聞いてまいりたいと思います。
ありがとうございました。
議長(井戸川 宏君)以上で、公明党日南市議団の自由質問を終結します。
○自由民主党日南市議団自由質問
次は、自由民主党日南市議団の自由質問です。十七番、前田安男議員の登壇を許します。
[十七番 前田安男君 登壇]
十七番(前田安男君)自由民主党日南市議団の自由質問をいたしたいと思います。
しんがりになりますと、重複するところがかなりあるわけなんですが、今回もそういう面がかなりありますけれども、私なりに質問をいたしますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
まず、任意合併協議会立ち上げと今後のスケジュールについて、質問いたしたいと思います。
平成十七年三月までを二年後に控え、ようやく二市二町に合併協議会を立ち上げることができたことは、まことに喜ばしいことであります。市長は二月十七日の初会合で「南那珂地域の新たなまちづくりの第一歩を踏み出した、記念すべき日」とあいさつされたのは、遅まきながら二市二町かなりの温度差がある中で、一市二町へ合併の方向付けで働きかけを行われ、ようやくにしてと、その実感が会長としてのあいさつとして出たように思われます。
また、私も日南市議会といたしまして合併問題特別委員会を立ち上げたわけですけれども、その委員長に山中 茂さん、副委員長に平原議員をお願いいたしたわけでありますが、その山中、平原両議員の再三にわたる一市二町当局への働きかけ、議会各位への力強い働きかけがあったから立ち上げへと歩を進めることができたわけで、その努力がなければ恐らく任意合併協の立ち上げも無理ではなかったかと考えるわけであります。
まずは、市長、また議員の山中、平原両氏に対しまして、この席から失礼かもしれませんが御苦労様でしたと申し上げたいと思います。しかし、せっかく立ち上げていただいた合併協も四月の統一選を控えて激戦が予想される一市二町の委員の皆さんも浮き足立っており、三月、四月の会合が十分に機能しないように思われるのは大変残念なことでありますが、いた仕方ないことであります。ここは事務局の皆さんに頑張ってもらわねばなりません。
その事務局、どうして風田のサンライフ日南になったのか。適当な場所がなかったのか。なかったといえばそれまでだが、中心になる南郷町あたりにはなかったものかどうか。串間から出向で来る人は、場所によっては自宅から五十分以上もかかって通勤しなければならないと思いますがどうでしょう。
また、合併協スケジュールでは、九月議会で法定協へ持っていく予定で、七月中に概略の取りまとめを行うことになるわけでありますが、かなり厳しい強行策であります。合併への足取りを固めていくためには、二千から二千五百項目からなる調整を行わねばならないといわれますし、また、数年かけて調整するものもあるでしょう。いずれにしても、大変な作業でありますが、それをクリアしていかねばなりません。
このような大事業の場合、概ねコンサルタント会社に調査等委託するわけでありますが、きのう、おとといの質問の中で委託されているような市長の答弁がありました。委託されているなら、任意合併協議会の事業内容の四項目の調査と申しますか、依頼であろうと思います。我々の判断材料として、どのようなお膳立てが提供されるのかお尋ねいたします。
先だって、県より合併支援重点地域の指定を受けました。ちゃんと県の後ろ盾もできました。将来の発展する新しい町を目指し、ビジョンを掲げて合併を成功させねばなりません。
会長としての市長の強いリーダーシップをお願いいたしたいと思います。もう何回も聞かれましたが、市長の心境をお聞かせください。
次に、農政についてお尋ねいたします。
国民の主食である米、その米政策を農水省は大きく転換しようとしております。昭和三十年代から四十年代にかけて、我が国は科学技術大国として安定した経済的発展を遂げてきたわけですが、農業分野においてもその生産技術が発達し、米を含む食糧の総生産量も年々増加の一途をたどってきたものであります。
その一方で、国民は科学技術の発達により肉体労働から解放されるようになり、徐々に米の消費も減退傾向に向かい、やむなく政府は余剰米対策を迫られるようになって、昭和四十五年国の政策として我が国の農政史上歴史に残る減反という政策を打ち出したものであります。
以来、三十有余年、さまざまな減反対策もとられながら今日に至っているわけですが、当初、緊急避難という名目で始まった減反政策も三十年経過した現在、今もって先行き不透明な中で、今回の米政策大綱が発表されたのであります。政府の〇八年度減反政策廃止をうたった今回の米政策大綱も、行き詰った減反政策、生産調整、併せて農業団体に丸投げし責任転嫁を図るものであった。
しかし、農業団体の猛烈な反発にあい、最終的に農業者、農業者団体が主役となるシステムを国と連携して構築すると、政府も責任を持つことになったわけであります。
〇八年度減反廃止の今回の政策も、〇六年度の状況次第によっては〇七年度より廃止と実に厳しいものであります。政府買い上げ価格も三・三%引き下げが決定しております。そのような厳しい米政策の現状の中で、既に早期の田植えが始まっております。日南市では、昨年度よりなお一層の減反が強いられたのではないかと思いますが、面積等は確定いたしましたかどうか、お尋ねいたします。
米の出荷販売に対するとも補償については、昨年六月議会において一億三百万くらいの造成額という答弁でありました。本年度はどうなりましたか、昨年度の補償はどうでしたか、お尋ねいたします。
昨年十二月議会でも飼料稲作については質問が出ましたが、年々作付が減少していくのではないかと思いますが、本年度の計画はどうですか。
みかんの高品質化ということで高接ぎ改植が奨励されております。みかんも年々需要が減退傾向にあり、産地間の販売競争はますます激しくなり価格も下落いたしております。それに勝ち残る戦略は、いかに形のよい甘くておいしいみかんを、他の産地に先駆けて出荷販売できるかであります。
日南一号は、まさにそのブランド品で高い評価を受けております。しかし、今や全国のみかん産地に散逸し、日南特産のブランドとしての価値が薄れつつあります。今、市の奨励されている品種は、その日南一号の枝変わりではないかと思いますが、数年前から他の日南一号に比較して一週間くらい早く色づき味もよいということで、一部の生産者の中で話題となっておりました。多分、それであろうと思いますが、品種として固定しているのか、何という品種なのか教えていただきたい。
農地保全整備事業につきましては、昨年六月の代表質問で市長から農業の安定化と地域振興のために効果的な事業として県に採択していただくようお願いしたいと前向きの答弁をいただいたと記憶いたしておりますが、先だって振興局の担当係長に伺いましたところ、「日南は金がないからやらない。そういうことです」といわれました。どのような事情か教えていただきたいと思います。
次に、二学期制についてお尋ねします。
学校教育において三学期制という方式は、明治の中ごろより自然とそのような方式になったものか、あるいは文部省より定められたものか、また、戦後の学制改革により制定されたものか知りません。私どもは、学校教育は一年三学期というものと思い込んでいたわけでありますが、宮崎の二学期制のテレビニュースを聞いて「ほお、二学期制か」と、思ったところであります。
学校もさまざまな問題を含みながら今日に至っているわけですが、ここ数年ゆとり教育が提唱されはじめ、週五日制がようやく定着していく中で、今度は学力低下が問題にされ始めております。二学期制はそのような事態に対処し、学力向上を目指し授業日数確保のため導入されたものではないかと思います。
そこで、次の点についてお尋ねいたします。宮崎市はPTA関係への十分な根回しと申しますか、説明がなかったように思われますが、十分な説明等行われていれば父母の戸惑いもなかったろうにと、何か唐突な導入のようにありますが、わかれば教えていただきたいと思います。
次に、二学期制と三学期制の違い。その利点、欠点、カリキュラムの問題等を教えていただきたいと思います。この二学期制については、マスコミで取り上げられた関係から、県内のPTAにかなりの反響があったと思いますが、日南市の場合はどうですか。二学期制にすることにより、さまざまな行事等を省略され、授業日数が確保されるようなら日南市も導入されたらどうですか。
以上をお尋ねいたしまして、壇上からの質問を終わります。
[降壇]
[市長 北川昌典君 登壇]
市長(北川昌典君)前田議員にお答えをいたします。
まず、南那珂地域任意合併協議会事務局の開設場所に関する御質問についてでございます。場所をサンライフ日南に開設したことにつきましては、いろいろと事務所について協議をし探してきたところでございますが、最終的には、二市二町の合意のもとにサンライフということに決定したものでございます。その理由といたしましては、事務局のスペース、及び会議室が十分確保できる。さらに、駐車場の確保も可能であるということで、こうしたことが一つの要因となりましてサンライフに決定したところでございます。
次に、コンサルの委託に関する御質問についてでございますが、短期間での作業を考慮に入れますと、既にノウハウのあるコンサルタントをプロポーザル方式で選定し、地域の将来構想等の策定業務の委託を行い精力的に取り組んでいるところであります。
なお、腹構えについての御質問をいただいておりますが、所信表明でも申し上げました。また、定例会の一般質問でもお答えしたとおりでございまして、私はその期限に向けて不退転の決意でこの問題に取り組んでいきたいと、こういうふうに決意をいたしておりますので、また、御協力、御支援を賜りますようお願いを申し上げたいと思います。
次に、農政についての一連の御質問についてでございます。
始めに、米の生産調整についてでありますが、平成十四年度の生産調整目標面積の配分は、七百六十七・四ヘクタールで四〇%で配分をしたところでございます。結果といたしまして、早期及び二期作をあわせた生産調整面積は、八百三十九・四ヘクタールとなりました。達成率は、百〇九・四%となっております。
平成十五年度の状況につきましては、県から七百八十四・八ヘクタールの生産調整目標面積の配分を受けました。このため市といたしましては、過去の実績を踏まえまして、農家への生産調整目標面積を四十%で配分したところでございます。
次に、とも補償についての御質問であります。とも補償は、需要に応じた米の計画生産の円滑な実施と水田の有効な活用を推進することを目的に、生産農家の拠出金と国の助成金により基金を造成し、生産調整の取り組みの実態に応じて補償金を交付するものであります。
御案内のとおりでありますが、日南市における平成十四年度のとも補償について申し上げますと、二千八十四名の生産者がとも補償に加入をされております。拠出面積つまり水稲作付け面積は、四百五十四・九ヘクタールとなっておりまして、この面積に十ヘクタールあたりの拠出金四千円をかけました一千八百十九万七千八百八円が拠出金でございます。
とも補償金額につきましては、生産調整を実施した対象面積が六百七十四・九ヘクタールとなっておりまして、作物ごとに交付単価が変わりますが、本市分の補償金額は一億二千四十五万八千五百九十一円となる見込みであります。
主な作物ごとの対象面積を申し上げますと、飼料作物や大豆などの一般作物が五百五十六・七ヘクタール、野菜等の特例作物が六十六・一ヘクタール、果樹等の永年性作物は八・二ヘクタール、自己保全管理水田が三十一・八ヘクタールとなっております。
このように、とも補償が実施される見込みであり、この制度があることで平成十四年度におきましても、円滑な生産調整が図られたところであります。
しかしながら、御案内のように、国におきましては米政策の見直しが行われており、現行のとも補償制度は平成十五年度までの取り組みとなっております。平成十六年度からは、産地づくり推進交付金が市の協議会に交付され、市町村が作成する産地づくり対策に基づき交付する制度となりますので、現在その対応策を二市二町で検討をしているところであります。
また、県は水田農業再編プロジェクトを設置いたしました。平成十六年度からの県の方向性を検討しており、その結果が七月に公表されますので、その結果等を踏まえまして、今後、検討していくことにしております。
次に飼料イネの作付け計画についてであります。
議員御指摘のとおり、海外悪性伝染病の侵入防止の観点から経営確立助成制度を活用しまして、飼料イネの作付け面積の拡大など国産稲わらの確保に努めているところであります。
本市における平成十四年度の飼料イネの作付けは、飼料生産組合や畜産農家におきまして七十九・二ヘクタールの面積で栽培され、平成十二年度に比べ十倍ほどの伸びを示しております。
本市におきましては、この経営確立助成制度等によりまして円滑な生産調整を推進してきたところでありますが、経営確立助成は今回の米政策改革におきまして平成十五年度で終了することになっております。
平成十六年度からは新たな米政策に基づき、従来の減反面積の配分から生産目標数量を配分する方式へ転換されますので、新たな助成制度が講じられることとなります。
しかしながら、新たな米政策におきましても、水田を活用した飼料作物生産に取り組む生産者に対し支援策が講じられる、こういう状況にあるということでございます。
市といたしましては、今後も引き続き飼料用稲ワラの生産を推進してまいりたいと思っております。
次に、みかんの高品質化についてであります。
本市におきましては、温暖な気候条件を生かして極早生みかんの産地化を図ってきたところであります。しかしながら、消費構造の変化から宮本早生の価格が低迷しており、JAはまゆうにおきましては、平成十六年度から取り扱いを停止することとし、日南一号への転換を進めているところであります。
このような中、本市で改良されました日南一号の枝変わりでありますN系は九月初旬から出荷でき、高品質高価格で取引されることから、市といたしましてはJAはまゆうと連携をし、優良品種として推奨しているところでございます。平成十六年度までに日南市全体の栽培面積は、二十ヘクタールまで拡大する計画となっております。
しかしながら、N系の高品質化のためにはマルチ栽培が不可欠であり、マルチの助成も併せて進めているところであります。
導入にあたりましては、亜熱帯作物支場や農業改良普及センター、行政、JAはまゆう等の関係機関等で構成しています南那珂果樹技術員会において品質等を十分に検討したところであります。
今後は、マルチ栽培技術の向上を図りながら高品質なみかん生産に努め、経営の安定を図ってまいりたいと存じます。
次に、農地保全整備事業についての御質問でございますが、この事業は急傾斜地域などの農地に対して排水路等を適切に配置し、表土の流出と災害を防ぐことを目的にしたものでございます。
現在、市内では、県営事業として大窪、細田、酒谷の地域を中心に六地区で実施されております。これらの地区の完成予定年度は、本年度に一地区、平成十五年度に四地区が完了し、残り一地区も平成十七年度までには完了する予定でございます。この事業は、農業生産の安定化と地域の振興のために、極めて重要かつ効果的な事業でございます。
このため市といたしましては、新たな整備地区として地元からの要望のある二つの地区について、現在検討を行っているところでございます。
今日の財政状況、大変厳しい折からでございますので新規地区につきましては、予算状況を考慮に入れまして、引き続き事業採択できるように、県や地元、さらには、関係者、検討を加えてまいる所存でございますので御理解を賜りたいと存じます。
ただ、先生おっしゃった振興局が予算がないからという話は、酒谷の現在継続しておる橋の問題ではなかっただろうかというふうに思いますが、勘違いかもしれません。その点についても、御案内のとおり今度の予算の中に計上いたしておりますので、御了承はいただきたいと思います。
以上でございます。
[降壇]
教育長(松田惟怒君)前田議員の御質問にお答えしたいと思います。
二学期制と三学期制の違いということでございますが、最初、二学期制につきましては、今議会でも中島議員、山元議員と、三名の御質問を受けることになるわけでございますが、学期といいますのは、一年間のうちまとめていくつに区切るかと、そういうことで、その区切りが学期ということでございますが、世界の先進国の様子をちょっと調べてみましたけど、例えばアメリカ合衆国の場合には小学校、中学校は三学期、四学期。イギリスは、三学期制、フランスは三学期制、ドイツが二学期制、イタリアが二学期もしくは三学期。ロシアが四学期と、アジアで言いますと、中国が二学期、韓国が二学期というふうに、それぞれ二学期、三学期と分かれてございます。ヨーロッパ等につきましては、九月から始まります。
日本はどうかと申しますと、議員もおっしゃいましたが、日本がこの学期を取り入れたのは、調べてみましたら明治二十四年ですね。ちょうどおっしゃいました明治からです。「学年は四月一日よりはじめ翌年の三月三十一日で終わる。これを分けて三学期とす。」と、これは小学校で始まっていますが、中学校はそれよりか少し遅れていまして、明治三十四年に中学校令施行規則に、四月一日から八月三十一日までを一学期、九月一日から十二月三十一日までを二学期、翌年一月一日から三月三十一日までを三学期と、現在それは全国的にこうなっているわけですね。
ですから、明治から百何十年この形で来ているわけでございますが、それが、三学期をどうして二学期にするのかというふうなことで、今取り組んでいる県とか市がございます。
宮崎の例をとりましていいますと、宮崎はこれまで今でも三学期制ですが、来年度から試行的に始めようとしています、二学期制につきましては、四月から始めて十月の第二月曜日までを一学期とする。それから、その翌日から二日間のハッピーマンデーを含めた五日間をちょっと休みをとって、それから後三月三十一日までを二学期とすると、そういう区切りをしたということです。
これによりますと、従来、始業式終業式というのは、今、三回ございましたですね。一学期が三回、それが二回になるというようなことでございますし、期末テスト等も当然中学校におきましては少なくなってくるということで、子供が学ぶスパンが長くなる。教師にとってみるとじっくり指導ができる。その長い期間に基礎基本を徹底して指導をしよう。夏休みが間に挟まりますが、これについては課題をしっかり与えて、課題学習として総合的学習等を勉強したものを夏休みに実際地域に行って勉強してみるとか、そういうことができるということで、それが学力向上に役に立つのではないのかなということを宮崎あたりの先進地ではそういう考えのようでごさいます。
三学期制につきましては、今、おっしゃったように長いこと馴染んでいますから、この夏休みがあって、そしてまた二学期があって、正月があって、三学期に入るということで区切りがございますね。そういうよさもあって、私どもとしましては前も答えましたように、これから十分研究しまして、それぞれのよさについて十分研究踏まえた上で保護者の皆さんにも御説明申し上げたいです。協議をしながら、進めていきたいと思っているところでございます。
以上でございます。
十七番(前田安男君)二、三、併せて再質問させていただきます。
まず、教育長さんにですが、二学期制にすることによって授業日数が何日か、授業時間が何時間か長くなるとか、三学期制よりもいわば生徒と接する時間が、とにかく授業時間がどのくらいか長くなるということは、どういうふうにそういうことがあるわけですか。その辺のところをちょっと教えていただきたいと思います。
教育長(松田惟怒君)そういうことでございまして、終業式、始業式等がなくなりまして、試算はいろいろございますが時間的に最低一週間ぐらいは浮くのではないか、時間的に余裕が出るのではないかというような試算もございますし、これまでの三学期制よりも時間数にすると、時間的にはゆとりができることは間違いないようでございます。
以上でございます。
十七番(前田安男君)それから、日南市では、別に宮崎市でこういうことになったということに対しての反響というかPTAからの、そういうことに対する問い合わせとか要望とかいうことについては、どうですか。あんまりないようですか、日南市は。
教育長(松田惟怒君)先ほどの御質問で落としてしまいまして、申し訳ございません。PTAの皆様方、地域の保護者の皆様方の反響でございますが、今のところ大きな学校週五日制にあったときのような、そういう反響はございませんが、しかし、ここの保護者の方々については、やはり関心をもって中にはご心配される方がいらっしゃるのではないかなというふうには思います。
以上でございます。
十七番(前田安男君)やはり、教育長、私がそういうことを申し上げるからではないわけですけれども、小さいときからできの悪い男でしたから、今もばかみたいな男ですが、やはり教育日数といいますか授業時間が長くなるということはやはりそれだけ、今は学力の低下がよく言われるわけですけれども、そういう中でそういうことに対して、要は学力の向上に大いに役立つといういろいろなことがやはりあるはずだと思うんです。そういうことに対して、父兄からの要望とかいうことについて、今申し上げましたように、そういうふうにやっていただけないかというふうなことに対する父兄からの要望といいますか、注文といいますか、学校や教育委員会に対して、そういう問い合わせというものは、やはりないわけですか、あんまり。
教育長(松田惟怒君)今のところは、私の耳には届いていませんが、一つだけ実は、ある小学校のPTA新聞に取材を受けたことがございます。もう三月ですからPTA新聞が出るかと思いますけど、二学期制と三学期制について、どういう特徴があるかということを、詳しいことは、実はこの前から答弁していますように勉強していませんから詳しいことは申し上げられませんが、そういう反響という反響はございました。
以上です。
十七番(前田安男君)ありがとうございました。
それでは、まず、合併協の事務局は、やはり私は先ほど市長が取り上げられましたけれども、そういう会議室や駐車場いろんな問題があってということですけれども、やはり南那珂を一つにしていくということであれば、中央の南郷町あたりにそういう場所というものはなかったかと思うんですけれどもね。やはり南郷も串間も、日南に任せておけという考えもあったのではなかったかと思うんですが、市長が会長になられたからということで。それ以前から問題を検討されて、どうしてもやはりないということになっていたのかどうかですね。
突然二月十七日に会議をされまして、事務局をどこに置くかということで、串間もうちもないということでそういうことになったのかと考えたりするわけです。その辺はどうだったのですか。感情的に申しますと、やはり会長も日南で事務局も日南に持っていった。せんだってから話が、ここに質問もありますように、日南がいいなるばっかりだということをいう地域の議員さんもいらっしゃるような話も聞くわけです。そういう問題を考えますと、やはり中央の方にと申しますか、中央とわけではないのですが、南郷あたりにもっていかれた方がよかったはずだなと私は考えますので、あえてまた申し上げるところです。その辺のところをひとつ教えていただきたいと思います。
企画調整課長(竹井 豊君)任協事務局の場所についてのお尋ねですが、任協を設置をするといった方向性が固まった段階で、どのあたりに設置するのが一番いいのかということは当然議論してまいりました。
そのときの条件といたしまして、壇上で市長が答弁を申し上げたとおりの条件も出てまいりますが、ほかの条件といたしまして議員が御指摘のように、一番立地条件としては中央がいいのではないかという話もございました。
ただし、その際に民間施設をお借りするのではなくて、公共施設を利用した方がいいだろうという判断に立っていろいろと議論をしてまいりましたが、結果的にはサンライフ日南に落ちついたと。二市二町でそれで合意したと、そういった経過がございますので御理解を賜りたいと思います。
以上でございます。
十七番(前田安男君)それからコンサルにお願いをされているわけですが、先ほど壇上から申しましたように、この合併協議会の事業スケジュールがこの中に四項目があります。この調査を依頼されたのではないかと思うのですが、どうですか、市長。その辺のところをひとつお聞かせいただきたいと思います。これは、任意合併協の方に報告、資料の提供はいつごろまで、六月、七月ごろまでということになっておりますから六月ごろまでにということになっているわけですが、その辺のところを教えていただきたいです。
企画調整課長(竹井 豊君)コンサルに対しましての業務委託についてでございますが、これにつきましても壇上から市長が答弁を申し上げたとおりでございまして、この任協の事務処理にあたりましては、コンサルに委託をする業務、それとは別に任協事務局を中心として構成市町で調整をしていくもの、それを振り分けております。コンサルに対しましてお願いしておりますのは、地域の将来構想等の策定業務、このことについてお願いしております。それ以外のものにつきましては、これまで再三市長が答弁申し上げたとおりでございまして、幹事会がございます。幹事会の傘下組織として専門部会がございます。専門部会の傘下組織として分科会がございます。それで今、鋭意、今、調査研究中でございます。
その研究調査とはいいますが、限られた時間の中でございますので、どういったタイムスケジュールでいくかということを申し上げますと、第一回目の任協のときに合意したとおりのスケジュールで動いております。今、計画的に動いているということだけ申し上げておきたいと思います。
以上でございます。
十七番(前田安男君)先ほど壇上からも申しましたが、私どもあちこちこの問題について自民党の会派として研究視察をいたしました。きのうも中島議員からそういうことで大分県の杵築とか、豊後高田の方に行った話をここでされましたけれども、やはり二千から二千五百項目のすり合わせといいますか、調整をしていかなくてはならないという話を聞いております。それだけ膨大なことをやるには、一年も一年半も二年もかかるということになりますが、それを四カ月という短期間のうちにやりあげようというのですから、ある程度の問題はさておいて抽出したもののすり合わせといいますか、主なもののすり合わせを中心にやるということになるわけですか。その辺のところをもっと詳しく教えていただきたいと思います。
企画調整課長(竹井 豊君)ただいま御指摘いただいたとおりでございまして、私どもといたしましては、確かにスタートがおくれたのではないかという問題意識も持っておりますので、逆におくれたことをプラス面に作用している取り組みがございます。それは、当然全国的に画一的に行われている業務ですので、たくさん先進事例等がございます。その先進事例をモデルとして、しかも、この圏域に一番ふさわしいようなモデルといったものを抽出しながら対応しております。
したがいまして、そういう先進事例をモデルとして、これまでのおくれを取り戻そうというつもりで関係職員が誠心誠意努力しておりますので、議員の皆様方にも御理解を賜りまして、御支援を賜りますようにお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
十七番(前田安男君)そういうことになりますと、結局、各市町の問題点を調整していくのは、事務局の、あるいは分科会の方の仕事ということになるわけですね。コンサルの方は将来構想のビジョンというものを作成するために、コンサルにそういう面での計画性をやっていただくということでお願いされたということになるわけですね。大体わかりました。
それで、私どもは九月の議会で法定協に持っていかなければなりませんが、その前に私どもの議員に対する判断材料として、そういう資料を渡してもらわないとならないということになるわけなんてすが、それは六月中にまとめができるわけですか。その辺のところはどうですか。九月の議会ですから六月じゃなくて七月、八月があるわけですが、私どもも勉強しないとなりません。そこら辺のところはどういうふうになるわけですか。
企画調整課長(竹井 豊君)まず、御理解をいただくためには、任協の委員構成をひとつ御理解いただきたいと思います。今、御指摘いただいたような問題もございますので、私どもといたしましては、それぞれの二市二町から委員の選考については十人と決めさせていただきました。
その十人の構成委員のうちの四名につきましては、行政機関、残りの六名が民間代表という形になっております。行政機関四名のうちの二人については執行機関で、市長と助役。残りが議会からお二人選出していただいたということでございますので、基本的には議会選出の委員の皆様方もいらっしゃることでございますから、当然、任協での議論あるいは集約、そういったものについては適宜任協の委員の皆様方が、それぞれの議会に御報告していただけるものと思っております。
したがいまして、その過程でいろいろな問題提起も、また改めてしていただくことになるかもしれませんが、問題提起があれば提起された問題についてまた問題解消のための取り組みをやらなくてはならないのではないか。
その細かい手法については、当然今度は任協の事務局がその機能を果たすことになるのではないかと思っております。
以上でございます。
十七番(前田安男君)テレビとか新聞とかに出るわけですが、住民投票として合併に賛成か反対かのアンケート調査をやるとか、やったとか。それで、否決されたとか一杯いろいろあるようですが、この二市二町のこの合併協の中でも、やはりそういうことをやっていかなくてはならないのかと考えるわけです。
例えば、住民投票みたいなものをやるとするならば、ある程度の話が煮詰まってからといいますか、任意合併協議会が終わったころにそういうことをやるようになるのかどうか。そこら辺のところはどういうふうにお考えですか。
企画調整課長(竹井 豊君)・・・・・・。
十七番(前田安男君)アンケート調査。その前に、合併協議会で審議された問題なんかをチラシというものを全戸に配布するということも、ニュースとして合併協だよりを当然出すことになってはおりますが、どこもそういうふうにやっております。そういうことを毎回ごとにやることになるだろうと思います。それを何回かやった後で、法定合併協議会に持っていく前にアンケート調査をするものかどうかですね。それから、法定協に持っていってから、そういうアンケートをするのか。あるいはアンケートをしなくても総意として合併という方向に向いているということであれば、それは必要のないことかもしれませんけれども、どこでもそういうことをやっていて賛成か反対か、反対が多くて法定合併協を逃ったというようなところもあるようです。そこら辺のところはどういうふうになりますか。わかればお聞かせいただきたいと思います。
企画調整課長(竹井 豊君)ただいま御質問いただいていることにつきましては、ごく基本的なことではないかと思っております。私どもといたしましては、現時点では、万が一そのようなことになった場合に、さてどうするかと、そういったことについては現時点では議論はいたしておりません。そのために任協を設立しておりますので、任協でどのようなことを議論し、どのような結論に達したのか。その過程、その結果を正確に迅速に住民の皆様方に周知をする。そのことが最大の課題ではないかと思っております。
したがいまして、その情報伝達のあり方につきましては、二市二町が合意のもとに現時点では、例えば任協事務局から発します便りとか、あるいはホームページ等で住民の皆様方に広く公開しようと。そして、必要に応じて、それぞれ構成市長の独自の情報伝達網で、それぞれの住民の皆様方に情報を周知し、その上で住民の皆様方の意向を把握しながら、任協の中でまた議論をさせていただくと。そんなスタンスでございますので、今、議員の御指摘になったことが起こらないように、今、問題意識をお持ちでございますけれども、起こらないようにやっていかなくてはならないのではないかと。そのように認識いたしておりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。
十七番(前田安男君)続いて、飼料作物のことです。
これは先ほど、市長が壇上からの答弁をいただいたわけなんですけれども、今度また米政策大綱が変わりまして、こういう問題も変わってくるようです。しかし、先ほど市長が申されましたように、一つの団地育成みたいな形ですか、県にいわば、その地域の考え方で何にでも使っていいというような金が配分されるということが新聞に出ておりました。
それはここに出ております。ちょっと読んでみたいと思います。今度の米政策の転換の中で新しくこういうことが提唱されて、推奨化が発表されたわけです。「産地づくりと米価下落に対する二面性的な性格を持った助成金が都道府県にまとめて交付され、互いに移動できる仕組みとなっており、米づくりに力を入れる産地では、米価下落対策に特化することができる。一方産地によっては、米価下落対策をなくし、すべての助成金を他作物の本格化に使うこともできる」というような、金が配分されることになるわけです。
先ほどから壇上で市長も答弁されましたように、外国から輸入してくる飼料なんかも、私も何回か、この質問で、そういう問題を提起して質問したことがありますが、いろいろな病気などを持ってきたから日本は大変なことに、牛も豚も大変なことになったわけです。そういうことのない安全な飼料作物を国内で生産するということは大事なことでありますから、そういう面でこういう施策の中で飼料作物に対する助成金も減額されていくという状態であれば、それはまたこっちに回すという。地域によって、それは県で決めるということになればどうしようもないかもしれませんが、県が日南市に配分するということになれば、日南市でそういうことを考えて、こういう飼料作物を増反してやっていただくような方策をとるようにしてもらわないといけないのではないかと考えるわけです。
それは、十五年度までで終わるということになれば、早速来年からまたそういうことが出てくるわけです。あと一、二年そういう補助金があるということであれば別なのですが、その辺のところも配慮していきながら、飼料イネの増産の方に力を入れていただかなくてはいけないと考えますので、よろしくお願いいたしておきたいと思います。
それから、ミカンの高品質化、先ほど市長も答弁いただきました。日南一号の枝変わりというのを細田地区で枝変わりしたミカンが発見されておるわけなんです。私の近くの人もそのミカンを持っておりまして、ある人がそれを見て、おおこれはいいということで宣伝したということがありました。
一方では、やはり同じ品種で、そういう枝変わりのやつでありましても、その枝変わりを継いで植えてこれはいいと思っていると、今度はまたその中から不良品が出たりいろいろするようなことがありまして、しっかりとした一本のミカンの木に固定した同じミカンというものがなっていかなくてはならん。いわば品種の固定というわけです。そういうことはもうないものかどうか。だから、非常に日南一号に比べまして一週間か十日早いと申しましたが、市長なんかは九月のいつか、九月下旬とか言われましたが、八月の下旬ごろから出せるようなミカンだと私は思うのですが。話を聞きますと、「N系何号」とかいうことですが、今申しましたようにしっかりとした固定した品種になっているのかどうかということを、私はちょっと農政課長にお聞かせいただきたいと思います。
農政課長(押川延夫君)このミカンの問題につきましては、昨年からいろいろな形でこの場でも議論させていただいているところでございます。このミカンにつきましては枝変わり、当初生産者の方で持たれたのは、「N系」と「S系」と二つの系統がございます。今我々が取り組んでいるのは「N系」でございまして、「S系」につきましては同じように枝変わりでとったのですが、やはり皮がかたいとかそういったところもございまして、多分一番最初は「S系」でやられているはずですから、その辺のところの品種をとられたのではないか。先ほど議員御指摘の点につきましては、その辺のところが絡んでいるんじゃないかなという印象を受けたところでございます。
我々といたしましては、九月初旬から一番先に勝負できるミカンをつくろうと。今、「宮本系」が非常に安くなっておりますから、一番最初の価格を高く設定し、それからずっと落ちていく価格の曲線をできるだけなだらかにしようと。高いところから落としていけばそれなりの収益が上がってくる。ですから、我々は三億円の収益が上がりますよと。だからこれをやっていきましょうということで技術委員会の中で決定していただいたわけです。
その品質とかそういったものにつきましては、園での成績それからミカンでの成績そういったものを見ながら決定していっておりますので、先ほど市長の答弁の中でも申し上げましたようにマルチ栽培と同じ形、同一でやっていただかないとこのミカンの特性は生かせないということでやっております。
ですから、初旬からできれば十九日までには出荷して、その後、日南一号のマルチ、それから日南一号の露地、そして中晩柑、労働力も平準化できますし、そういう形でいけば何とか当地域のミカン農家の経営安定につながると考えて進めているところでございます。
以上でございます。
十七番(前田安男君)今、農政課長がおっしゃいましたように、細田地域でミカンの生産者の中から二人、そういう枝変わりの早いやつができたということで、いろいろと生産者の間で話題になっておったんです。私もそれをよく知っております。ある人がこれを植えたのですが、今おっしゃった「S系」だったかもしれません。五百本植えたのですが、物にならなかったんです。全部やりかえたんです。だから、おっしゃるように、この「S系」であったかもしれません。今のやつは「N系」ということで、ちゃんと固定して間違いなくしっかりしたいいミカンがなっていくということであればもう最高だと思います。恐らく、今まで何年かは経過しているわけですから大丈夫だろうと思いますが、そういう品種の固定が問題だと私は考えていたものですから、それをお尋ねしたところです。
それから、農地保全整備事業を先ほど申しましたように、去年六月の議会でそういうふうにもう終わるから、後に続けて日南市で置くか、候補地を探してやっていただきたいということをお願いしたんですが、そのときには本当に前向きな答弁でありました。今もそういう答弁ではありますが、しかし、ことしはやらないということであれば来年ということになるわけですか、その来年から取り組むということになるわけです。そこの辺のところはどういうふうになりますか。また二カ所ということですが、候補地はどこかちょっと教えていただきたいと思います。
耕地課長(郡司 均君)来年度といいますか次の新しい新規採択事業予定の箇所につきましては、来年度とは限りませんが、今後、今検討しておりまして、その一カ所は楠原地区、もう一カ所が吉野方地区でございます。
以上です。
十七番(前田安男君)ありがとうございました。
来年度と申しますと今からですから普通は十五年度ですけれども、十六年度ということで私は考えたわけなんですが。せんだって県の楡田係長に聞きましたら来年度はないということでしたから、もう十五年度はないと考えたわけです。これではいかんと考えたわけなんですけれども、そこまで金がないなら串間の鈴木市長と一緒で早く財政危機宣言をされた方がいいと私は考えるわけです。
そういうことを財政課長に申し上げました。でも、これはやはり市長もよくおわかりのように、私もそれをずっと経験しております。地域にとっては、これだけのいい仕事はありません。市も幾らか金が要りますけど、ぜひ十五年度がだめなら十六年度からでも続けていってもらうように。まあ財政危機宣言はしてもらわなくてもいいわけですが、そこまでいっても、ぜひやっていただきいというということをお願いいたしまして、私の質問は終わりたいと思います。ありがとうございました。
議長(井戸川 宏君)以上で、自由民主党日南市議団の自由質問を終結し、午後二時四十五分まで休憩いたします。
=休憩 午後二時二十九分=
=開議 午後二時四十五分=
○自由質問
議長(井戸川 宏君)再開いたします。
休憩前に引き続き自由質問を続行します。次は広前憲一議員の自由質問です。
[九番 広前憲一君 登壇]
九番(広前憲一君)広前でございます。
通告にならい質問させていただきますので、当局の明確な答弁をよろしくお願いいたします。
まず最初に、差水量についてお伺いします。九月、十二月議会ととり上げている問題であります。開発行為で造成された天福ニュータウンの差水量が、この一、二年、異常に高くなっている等の質問に対する調査の結果と今後の対応、対策についてです。
九月議会での答弁では「住民の負担を考えますと、今後におきましても水圧低下の一つの要因でもあります老朽管の改修や、漏水等の調査を進め水の安定供給に努めてまいりたいと、このように考えております」と言われました。また十二月議会では一貫して「差水量異常の原因は量水器の不良、または漏水等しか考えられない」ということで、今後の調査、原因究明をお願いしていたわけであります。
そこで、先日、問題がわかりましたということで聞きました結果が、差水量高騰の大きな原因は、量水器の不良ではなく、また漏水でもなく、検針後の事務レベルでの誤請求、間違った請求が原因であったとのことで、水量にして六百九十五立法メートル、金額で十万八千五百四十三円。十四年一月から十五年二月までの分であります。それ以前の分は調べられないというよりわからない、調べようがないとの報告でありました。
どうなるのか聞きますと、基本的にもらいすぎている分に関して返還いたしますとのことであります。まだ、調査のすべてが終わったわけではありませんが、現段階での結果を踏まえなぜこのような事態が発生したのか、市の責任としてどう考えておられるのか、もちろん地区住民に対する説明もしていただきますが、今後の対応、対策をお聞かせください。
次に、災害発生時の本市の対応策の現状についてお伺いします。世界の情勢はイラク問題、北朝鮮の異常といわざるを得ない挑発的行為など世界危機の状況が続いております。当市においても、いつ何どき緊急的非常事態を迎えるかもしれません。一言に災害といいましても台風や地震、大雨による増水等の自然的災害、行方不明者や火災、防犯などの人的、個人的災害があります。これらの災害発生を市民へ周知するためのマニュアルが作成してあるのか。また、行政としての協力体制は、警察・消防との横の連携体制など詳しくお聞かせください。
続きまして、堀川運河の現状について伺います。
景観は完成しつつあり、とてもすばらしい環境になるようですが、水中の自然体系と利活用の実態を調査しますと、早急に対処しなければならないようであります。まず、自然形態でいいますと、魚の減少が著しく一昨年まではサピア祭などの釣り大会で参加者のほとんどが大漁で大盛況であったのに、昨年はほとんど全くといっていいほど釣れなくなっている状態であること。最近のニュースで、東京の川にボラの大群があらわれ話題になっておりましたが、この堀川にいたボラが住みにくくなったため移動したのでありましょうか。
二点目に、利活用の実態で考えますと、日南、南那珂に約千八百隻の船舶が存在しております。毎年台風や低気圧の接近時期になりますと、船舶の避難場所として利用しているのが現状であります。
ところが、干潮時になると船の航行ができないとのことであります。川の中央付近側であります。船底やペラを損傷した方が相当おられると聞いております。船を係留する際も川底がセメントや岩で隆起しているため、アンカーもきかなくなっている地帯があるとも聞いております。工事工法に問題があったのか、何が原因かは定かではありませんが、最終完成時に整備するつもりなのか。そうであれば、その間はどうされるつもりか。梅雨や台風の時期が半年もしないうちに来ますが、早急に調査され対応を協議した方がいいと考えます。市長の見解をお聞かせください。
最後に、油津小学校の施設整備について伺います。先日雨上がりに学校に行きましたところ、グラウンドを見てびっくりいたしました。一面に水が張りめぐらされ、まるで湖かちょっとした池のようでありました。釣りざおが手元にあればちょっと垂らしてみようかなと思えるぐらいの感じです。想像していただけたでしょうか。たまたま土曜日でありましたので子供たちはあまりおりませんでしたが、二人ほどが突然できた湖に入りはしゃいでおりました。
しかし、あれほど雨水がたまるようでは、よほど水はけが悪いのではと考え教育長に相談いたしましたら「そうなんですよ、私がおりました十年前からなんです」とのことで、わかっていればなぜ対策を講じないかということになるわけですが。後日、学校関係者にも聞きましたところ、父兄が協力して何度となく何とか改善できないものか作業をされたらしいのですが、うまくいかないまま現在に至っておるとのことであります。
また、水はけが悪いためにたまりに砂を入れる、その砂が晴天が続くと乾燥し、風に舞い、近隣の住民に迷惑をかけている状態であります。子供たちも外に出られず窮屈な思いをいたします。教育長、この現状をよく理解されておると思いますが、それでもなおこのまま放っておかれるつもりなのか、見解をお聞かせください。以上、壇上からの質問を終わります。
[降壇]
[市長 北川昌典君 登壇]
市長(北川昌典君)広前議員にお答えをしたいと思います。また、おわびもいたしたいと思います。十二月議会におきまして差水量についての調査結果と今後の対応、対策についてのお尋ねでございます。
調査につきましては、事務調査と現地調査を行ったところでございます。その結果、差水料金におきましては、過去の資料を再精査したところ、十四年一月より天福ニュータウンの給水戸数のうち、二戸分の使用水量を差水量計算において参入していないということが判明いたしましたので、差水料金につきましては先日一部説明し、過料分について還付するよう今その事務手続を行っているところでございます。
このことにつきましては、十四年一月より団地内に新築されました二戸分の使用水量を団地内全体の使用水量に加えて、市管理の量水器の数値から差し引くべきでありましたが、差し引きしなかったことが原因であります。まことに申しわけなく思っております。今後は職員に注意を喚起し、二度とこのようなことがないよう努めてまいります。
また、現地調査につきましては、市の管理施設も含め目視できる部分においては特に異常は見受けられませんでした。なお、今後の対応、対策については専門的調査もあり、また地元管理施設もありますので、地元の協力をいただきながら取り組んでまいりたいと考えております。さらに地区への説明につきましては、事務処理後に行うことにいたしております。
九月議会、十二月議会等続けての疑問点を提起いただきました。その際に、先ほど壇上から広前議員が説明のありましたような答弁を申し上げておったところでございますが、そうした二回の指摘にもかかわらず十分調査せずにああした答弁を申し上げたことを大変反省をしながら、今後、こういったことのないように職員にも注意を喚起しておきたいと思いますので、御了承のほどお願いを申し上げたいと思います。
次に、災害発生時の対応策の現状についての御質問であります。災害発生時の周知、対応につきましては、災害の発生時に対処すべく災害対策基本法に基づきまして、地域防災計画書を作成いたしております。
その中で、災害の種類に応じまして、警戒、出動の区分や避難の要領等を定めております。また、市民への周知方法としまして防災行政無線やサイレン、広報車などを使って災害の状況により周知するようになっております。マニュアル的な地域防災計画を初め、防災マニュアル自主防災組織編、職員編を作成をいたしております。
常に、日常生活上における対応として、お尋ねの行方不明者の捜査における市の協力、対応策についてでありますが、通常、家族等から消防本部、また警察へ通報されることになります。両機関におきまして事実確認がなされた段階で、地域消防団へ捜索・協力依頼が行われ本格的な捜索活動が開始されることになります。
なお、事案の性質上公表しない旨の家族等からの要請も多く、通常警察と消防関係者による対応であり、公開捜索とされないことが大半であるため、警察及び消防、その家族から捜索のための広報要請がない場合は、特別な対応はいたしておりません。このことに対するマニュアル的なものは作成いたしておりません。人命救助を第一に日常生活上での突発的な自己災害については、その都度関係機関と連携して会議をしているところでございます。
次に、堀川運河の水質についてでございます。
水質につきましては、毎月浮遊物物質量、COD、溶存酸素、大腸菌群数について分析調査を行っているところでありますが、調査結果では水質に特段の悪化は見受けられません。工事の影響につきましても、港湾事務所にお尋ねいたしましたところ、工事に際しては環境対策として必要に応じて水質汚濁防止フェンスの設置、工事による汚濁水の浄化装置、流出油処理用機材の常備、工事内容によっては環境基準値の確認を行いながら工事を進めているとのことであります。工事の影響があれば水質分析調査にあらわれることになりますが、毎月の水質分析調査結果に悪化が見られないことから、現段階で原因を特定することは困難でございます。
大変、魚が少なくなったというお話でございます。
堀川運河だけかどうか調査をしなければわかりませんけれども、全体的にこの近海、この夏から魚が減少していると言われております。私もこっちは好きなんですけれども、ことしはあまり行かなかったんですが一緒に行く連れから聞きますと、従前の釣りかに比べて大変減少したということです。特にキスあたりは前は一日かけるとバケツいっぱいでも釣れたものが、一日かけて二、三匹しか、多いところで四、五匹かねというお話でございまして、何かそこあたりが専門的に調査しないとわからない。海流の関係もありましょうかしらんが、そういうことのようでございますので、これは堀川運河のみにとどまらずそういう状況にあると言われております。
次に、堀川運河工事に伴い施工したセメントが地表に出てきているのではないかとの御質問ですが、県にお聞きしましたところ平成十年度から十四年度に施工した区間について、地盤改良により運河の底部にセメントによる改良体を造成したことから、工事中に地盤の盛り上がりが見られ、一部セメント固化材が露出していたが工事完了時に施工前の水深を確保するために取り除いた。今はないというお話でございました。
その他の部分で議員にお気づきの箇所がございましたらお教えいただきまして、調査をさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
[降壇]
教育長(松田惟怒君)広前議員のご質問にお答えしたいと思います。油津小学校の施設設備についての御質問でございます。
雨が多くなりますとグラウンドの水はけが悪くなるということで、十年前のお話も御披露いただきましたが、教頭として私は二年間油津小学校にお世話になったわけでございます。梅雨の時期とか台風が来て確かに雨が多くなると確かにたまります。教頭ははだしになって運動場の隅っこにある排水口のところへいって、見ていますとそこに木の葉がたまったり、結構ごみがたまっているんです。それをさばくと水がすっと入っていくということが……。実はそこのところをお話ししたかったわけです。そういうところはPTAの方にもいろいろお世話になったわけです。
それから、確かに風が強い日はほこりが舞って御近所に迷惑をかけると思いますので、その砂につきましても、砂と土を適当にまぜながら、ほこりがしないようなものを運動場の方に必要に応じて入れていくということも考えておるところです。
以上でございます。
九番(広前憲一君)ありがとうございました。
若干再質問させていただきます。まず、差水量の件です。御丁寧に何といいますか、今後こういうことが発生しないようにということで市長からいただいたわけですが、地域の皆さんにそれを、市長に来てくれというわけではないんですけども、今度、三月二十四日に総会をいたします。そのときに一応課長に先日話をして、来ていただくことになっておるわけでなんです。それでも若干、後請求があった分を差し引いても、資料をいただいたんですが、ほかの地区の差水の料金と比べると、やはり金額にして約一軒か二軒分ほど高いような状態なんです。
こういうことがわかりますと「まだあと一、二軒分抜けちょっちゃねえか」というような、今、地区の組合長をされている方の話なんですけども。だから、またその原因を究明するために、来週、私とその方とで現地調査をして、その結果を水道課の方に伝え、それでもって二十四日に来ていただいて、地区の皆さんの総会の場で経過と説明をしていただくという段取りにしてあるんです。
差水量自体の、何ていいますか、都市計画法の開発工事の条例とか、そのものを全く別にしてちょっと聞いていただきたいんですが。差水量というのは結局、水道事業者、市ですね、市の親管から分岐した所についている水量メーター、そこから入った水量の数値と各分譲地の家庭につけてある水道メーターの合計を差し引いた分を差水量ということで、請求が来ているわけです。
今、特に天福地区の場合は開発公社が不在ですので、それを地区の住民で負担している。例えば、今月各家庭が五千円ずつ水道料を支払った。その別に、その下に眠っている差水の分の料金を五千円ないし、支払いをしているわけなんです。すると、その支払いした、そのメーター検針があったあとに、各家庭が蛇口をひねれば、そこの差水分として料金を支払った分の水が各家庭の蛇口からまた出てくるわけです。また、そこで料金を支払うと。単純に考えると、だから二重に地区の住民が負担をしているという考えになるんですけども。だから、開発行為のとかそういう条例というのを取っ払った場合に、そういう現状を理解されて市長としてどう受けとめられるか、ちょっと御意見をお聞かせください。
水道課長(高砂倉 功君)お答えする前に、一言おわびを申し上げたいと思います。先ほど、市長の方から壇上でお断りと申しますか、おわびがありましたが、今回の件につきましては、このようなことがないように十分留意をし、職員に注意を促しながら重大さを認識させて、努めてまいりたいと考えております。今回の件につきましては、注意力の欠如によるものと考えており、大変申しわけなく思っており、私を含めまして今後十分注意してまいりたいというふうに反省をしておりますので、ご了承いただきたいというふうに考えております。
今、お話がありました団地内の差水量の件でございますが、確かに毎月差水量として発生するわけでございますが、一度、管に貯留されます水量につきましては、そのまま継続していくわけでございますから、毎月眠っておるといいますか、管に入っておる差水量はもう既にカウントされてありますので、毎月その部分を二重にカウントするようなことはないというふうに考えておるところでございます。
九番(広前憲一君)いえ、カウントを二重にするというんではなくて、結局、親管から入る所に分岐している所についているのが、親メーターというメーターがついていますね。そこから、例えば、二十入れば、各家庭から二ずつ使って十と。残りが十あるわけです、眠っている水というか。そこの金額を差水量としてお支払いしていると。二ずつの五軒分で十を各家庭で支払っている。だから、二十分を住民側としてはもともと払っているわけです。次にまた蛇口をひねれば、今度は差水量として払った分の水が各家庭の蛇口から出てくる。そこでまた、その分に対して料金を支払う。また、新しい水が入ってきた差水量に対しては、また次の月に差水量として金額を支払っていくという形です。
ほかの地区のでいくと開発公社が負担していますから、造成した企業が支払っています。その金額ももう見て、資料を持っていますけども、金額が大体千円ぐらいなんです。それは妥当な金額だと思うんです。その開発公社がいなくなったこの天福ニュータウンに関しては、もう地区住民で負担しているものですから、メーターで二度カウントするんではなくて、料金は、だから住民が同じ水に対して二回支払いをしているという意味の質問なんです。
だから、それを考えられたときに、どういうふうにお考えになるかという質問だったんですけど、条例は別としてですね。
水道課長(高砂倉 功君)先ほどの質問をちょっと誤解しておりましたが、確かに通常の家庭、いわゆる日南市にあります配水池、これから直結を給水している家庭においては、使用水量に対してのみ料金をいただいておるわけです。確かにそうでございます。ただ、地理的な条件ということで直結給水ができない、そういう高層ビル、さらにはそういう団地と、これについては、二次的な給水をしなければいけないということで、言われるように同じ水道水を送りながら、そういう団地とか高層ビル等については差水というものを徴収しておるわけで、それが倍になるということはございませんけども、確かにそこあたりで若干の負担の違いがあろうかと思います。
そういうことを解消するということになりますと、今、既存、あります配水池等々の施設の高さの問題、これを給水団地なり、また給水アパート、高層ビル等の高さよりか高くもっていかなければいけないということが、一つはそういうことで解消すると思いますけれども、ただそれに対します市内にめぐらせてあります配水管等の強度の問題とか、それから水源から浄水された水を配水施設に送る能力の問題等々を検討しなければいけない。また、改修しなければいけないということになりますので、多額の費用がかかるということでございます。
ただ、今、言われるようなことを、開発行為というものをひとつ取っ払って考えたときには、確かにそこあたりで同じ水質の水を一トン当たり幾らということで若干差があるということは、今後、いろいろな面で検討といいましょうか、研究しなければいけないかなというふうには考えております。
ここでお話をしておきますが、日南市にそういう団地が数カ所ございます。これはあくまでも議員もご案内だろうと思いますが、都市計画法がそこにあるものですから、これは先ほど抜いたということでお話がありましたが都市計画での協議の中が、まだそこにあるということだけは、ひとつご認識いただきたいというふうに考えております。以上です。
九番(広前憲一君)わかります。だから、都市計画法とか、開発行為等の条例をと言われると、そういうふうに取り決めがしてあると言われれば、もうそれまでということなんですが。だから、その条例自体を普通、常識的に考えると矛盾点が考えられるわけです。だから、見直しをしていっていただけないかなという点が一点と、開発行為者が存在しなくなった場合の特例ではないんですけども対処法という形で、一言、条例の中に組み込んでいただくとか、そういう形がとっていただけないかなというのがありまして、私は再三申し上げております。
特に、差水量のことに関しては、ほんともう顔を見るたびに地区の方に言われるんです、まだ撤廃ならんとなと。だから、いや議会でも何度か、もうずっと話をしていますので、撤廃というのはちょっと今のところの状況では難しいんですがと。でも、なぜ金額がこんなに跳ね上がっているかという原因はある程度つかめましたので、また今度の総会のときでというような形で、私も、うまいぐあいにといいますか対処しておる、大変なんです。
だから、その辺を踏まえて、また今後もいろいろと調査、研究していただいて対応していただきたいと思っております。よろしくお願いします。
余談になるかもしれませんが、ある首長が書かれていた雑誌を読んだことがあります。職員が財政課におるときにはかなり高いレベルで厳しい財政運営を意識をしているけれども、ほかの課に行ったらまた全然変わると言うんです。一例ですが、それではいけないので、ほかの職員も財政課にいるような財政課の職員のような意識でないと財政はなかなか、公務員の意識を変えないと。そこら辺からやはり変えていかんなということを書かれておった雑誌を私は見ました。私の経験も、なるほどそうかなという思いもしました。そういうことでポイントになりますのは、計画性と事業評価を制度化していくということではないかなと私は考えております。
そこで、宮崎県が今度導入します政策評価制度。これも全国で四十四番目ですから、あんまり下の方ですから大して評価するべきことではないと思いますが、県内では宮崎市が導入しているのかな。県内でも、あるいは全国でもそういった真剣に取り組まれている自治体においては、そういう制度事業がいち早く導入されているわけです。そこで市長はどういう考えを持っていらっしゃるのか、県が政策評価制度を導入したことについて、御感想なりあれば一言、言ってください。
市長(北川昌典君)感想とすれば、やはり当然、そうした費用対効果という面からも政策の評価とか、そして繰り返しローリング方式で評価をしながら事業を進めていく。その中でスクラップアンドビルドという形で、この事業は進められるべきだと思っています。
八番(平原光則君)わかりました。
それから、これだけ膨大な借金がかさんできますと、将来これをどういうふうにして返していくのかということになります。もちろん基金を積み立てをしていまして、そこから払い込んでいくというのは一般的ですけれども。雑誌にこういうのが書いてありました。埼玉県の志木市というところは、市長がこういうことを提案して今始まっているみたいです。
ここは、人口が六万六千人です。財政規模は日南市と変わりません。十二年度の決算で百七十億円ですから。それから借金が百三十三億円です。日南は十二年度決算で二百二十三億です。百億円ぐらいの違いがある。財政力指数も、日南は〇・四一ですか。ここは〇・七七なんです。埼玉県はかなり高いみたいです。そういう市が二十年かけて職員数が今六百十九名だそうですけれども、これを三百一名にするというんです。半分以下です。そこで二十年間にわたって約六十七億円の人件費を浮かすというんです。これは、職員を減らせばいいということを私は言いたいのではないんです。中長期にわたって財源をどれだけ見越して確保するという根拠を市民に明らかにしているわけです。
そこで、志木市の場合百三十三億円の借金があるのですが、二十年後に人件費を削減してこれだけの財源を生み出すということを明らかに示しているということを僕は学びたいと思います。
日南市も健全財政化の中で行政改革等が言われております。今度の説明に中にも財政健全化策が示されておりますが、これはどこを探しても行政改革という言葉はないみたいですが、中身はしかし、恐らく行政改革を徹底していこうということだと思います。そういう将来を見込んだ中長期にわたっての財源確保。ぴちっとした数が出ないにしても、志木市のようにこうやったらこうなり財源が浮きますと、それを還元しますと。そういう考えを持たれたことはないのか。これも市長が簡単に答えてください。
市長(北川昌典君)常に財政の健全化には考えておりますが、今日的にその人数を極端に減らすとか、議員御存じのとおり、これは現実的にできませんので、そういう面で今日の補充、退職、退職不補充で減らす。しかし、減らしてばかりではいけません。補充だけではいけませんので新しい血も入ってこなければいけないわけですから、そういう中で、これまた人事行政は難しい面があると思っておりますが、おっしゃるよ¥うな財政の将来的な中長期的な計画というものは、財政だけでなくて、もろもろの事業を含めて立てるべきだと思っております。
今、そういう中でお互いに厳しい中にあります二市二町が財政的に合併しようということですから、その中で相対的なものを計画していくべきだと思っております。
八番(平原光則君)時間がありませんので、次、公約の実行効果は出ているのかどうかということを申し上げたいのですが、今、私が質問をしていることについての回答がずばりあったかどうか、私はちょっと疑問に思うのですが。それは別におきまして、大変意地悪の質問かもしれませんが、ちょっと聞いてください。
平成八年の五月に北川昌典後援会だよりを持っているのですが、それをちょっと読ませていただきたいと思います。後援会だよりの財政に関する部分の中に、こういうふうに解説がしてあります。「前市長時代の平成三年度末の市債の残高は百六十三億五千二百八十六万円で、平成七年度末の残高は百七十五億四千百五十一万円です。その差は十一億八千八百六十五万円の増額を一体どう考えますか」という問いかけをされております。そしてその中にずっと後段の部分について、その後援会だよりで言わんとするところは、つまり前の川越市長のときにはこれだけあったのに、宮元市長のときには十一億円ふえていますよと。つまり財政力の弾力性の欠けると。したがって財政健全化に自分は努力するという意味だろうと思うんです。
そこで、私が、冒頭で意地悪ということを申しましたが、そのまま今、だよりに書いてあるようなことを一期四年の数値を当てはめてみますと、差が三十九億円なんです。そして、さらに一期プラス今日までの平成十三年度末までの差が四十六億円になるみたいです。ですからそこに膨大な差があるわけです。しかも公約の中では、財政健全化にこれは公約ですから努力する目標といえば目標ですけれど、この差を、この後援会だよりに従って、どう思いますかという問いに置きかえて市民にどういうふうに説明をされるのでしょうか。ちょっと聞かせてください。
市長(北川昌典君)御案内のとおり、平成に入りましてからバブルがはじけました。そして、ちょうどあの選挙の時期が一番出発点だったろうと思うのですけれども、そういう中で過去の財政の状況というものはその中にしたとおりでございます。それはうそも隠しもしません。書いてあると思います。そして、おまえになったらふえたじゃないかと、借金をつくったじゃないかと、それだけ、私は仕事をしたと思っております。
八番(平原光則君)言葉を返すようですが、財政状況はこの平成八年五月に発行されたような状況、今の状況というのは加速度が違います。その当時と今日の状況がどんどん進んでいるという状況は違いますけれども、根底はあまり変わらないんです。反論させていただくならばそういうことで、おれは仕事をしたんだとおっしゃればそれでいいでしょう。しかし、前の市長だってそういうことをおっしゃればそれでいいわけですね。十一億円をふえたことをどう思いますかということについて聞いたわけですが、わかりました。
次に、公設民営化の問題です。今市長の方からの答弁で見ますと、この前の九月議会と全然違います。なぜ違うかというと、私は今、市長が答弁されたようなことを再三やりとりしているんです。しかしそれでも、今、市長が答弁されたようなことに近い答弁をされないんです。そして最後は勘違いでしたということを九月議会で所長は言っているんです。
ですから、今おっしゃったとおりであれば、それは九月議会でもよかったので私はそのとおりだと思います。そこで、九月議会で今申し上げましたように私がいろいろと質問しまして、それで権限はないと、こういうことをおっしゃったから、即座に厚生労働省に照会しているんです。照会した文書が今言われたとおりです。恐らく厚生労働省がきているんじゃないですか、私が照会したことが。後でまた事務的なことは所長に聞いてください、答弁してください。今おっしゃったとおり、厚生労働省から回答がきました。
私はどういうことを厚生労働省に照会したかということをちょっと聞いてください。時間がないのでもったいないのですが。省くところもあります。「市としての責任及び権限はどこまで及ぶのかということについて見解を正します」という。一つは、「委託した市には当該施設の管理運営について指導、監督の権限を一切ないと解すべきが妥当なのか」というのが一つ。もう一つは、「法的に県知事にあっても県知事の検査の結果、指導事項等があった場合、それが遵守の指導、監督は委託者、設置者にも責任及び権限が及ぶと解すべきが妥当なのか。例えば、委託を受けている法人の職員の給与が規定どおりに運用されていないから、これを是正するよう県から指摘をされたときは法人に対して設置者としても、これを遵守させる責任があると解する」と。こういうことをどうですかと見解を正したわけです。
今市長が答弁されたように、地方自治法の関係ももちろんありますし、福祉法十八条第二項の関係もあって、「回答は設置者である市に及ぶ」と、こういう回答がくるんです。私は及ぶんじゃないかということを質問しているんです。どうですか、市長、そういう違いを。
福祉事務所長(長友憲二郎君)お答えいたします。
議員が言われたとおり地方自治法二百四十四条の二の六、それから管理委託契約書の二条、十条で助言指導を行うと。これは県も老人福祉法第十八条に基づきまして、県の指導監査を行います。そのときに一緒に職員が同行して指導といいますか、県と一緒に行っているといったようなことでございます。
八番(平原光則君)何をあなたは答えているんですか。私が言っているのは九月議会でも十二年に県の方の指導監査で、あそこの職員の給与等が指摘をされているわけです。それを、なぜ守らせなかったんですかと言ったら、権限はありませんと答えている。議事録を見なさいよ。それを、今になって権限が及ぶと言うのは、いったい答弁が違うんですか。
福祉事務所長(長友憲二郎君)すみません。休憩をお願いします。
議長(井戸川 宏君)休憩します。
=休憩 午後四時十四分=
=開議 午後四時十四分=
議長(井戸川 宏君)再開します。
福祉事務所長(長友憲二郎君)お答えいたします。権限は及びます。
八番(平原光則君)あなた、何を聞いているんですか、私の質問を。及ばないという答弁をしたのに、きょうは及ぶということはどういうことか。その違いはなぜかと聞いているんです。及ばないと言ったでしょう。議事録を見てください。
議長(井戸川 宏君)休憩します。
=休憩 午後四時十五分=
=開議 午後四時十六分=
議長(井戸川 宏君)再開します。
福祉事務所長(長友憲二郎君)お答えいたします。九月議会でそういうふうに答弁しているということであれば、私の間違いでありまして、権限は及ぶということでございます。
八番(平原光則君)あのですね、議会でお互いが議長を通じてやりとりをしているわけです。「私が及ばないと言ったのであれば、こうこうです」って、そういうものの言い方がありますか。議事録をぴしゃっとやって答弁してください。
議長(井戸川 宏君)三度目の休憩に入ります。
=休憩 午後四時 十七分=
=開議 午後四時二十五分=
議長(井戸川 宏君)再開します。
福祉事務所長(長友憲二郎君)申し訳ありません。指導、監督につきましては、要するに県の方にあるということでございます。
八番(平原光則君)時間が大変もったいないですね。なんでそういう答弁になりますかね。議事録の全体の流れ、全体に目を通す時間はないでしょうけれども、答弁をしている皆さん方がそういう答弁でいいですかね。
私は答弁の流れの中で問題があったから厚生労働省にわざわざ照会しているんです。照会していることについては、要点を申し上げると基本は県にあるけれども、市の方の福祉事務所等に県の方から指摘したことについては、市長も和幸園なら和幸園に指導する権限が及ぶのではないですかと。及ばないとこういうことだったらおかしいなということで、やりとりの中で厚生労働省に聞いたら、それはやはり及びますよという回答がきたわけですから、誤りなら誤りということをはっきり言わないと基本的に県知事でありますということでは、私は納得しませんよ。
福祉事務所長(長友憲二郎君)基本的には、先ほども言いましたように監督権は県にございます。それで、県が年に一度、指導監査を行います。そのときに福祉事務所も立ち会いをしまして、例えば、十二年には給与等のことで指摘を受けております。それについて、やはり我々も関心があるわけですから、それについては県と一緒に指導をする。要するに指導監督はあるという、指導するべき立場にあるということでございます。
八番(平原光則君)それでは、九月議会の答弁とニュアンスというか、基本的に違っておりますが、先ほど市長が答弁したしたとおりが正しいと、こういうことに現時点では判断をされると。市長どうですか、それでよろしいでしょうか。
市長(北川昌典君)九月の答弁の流れをしっかり調べてみないと、これが間違っていたとかいうことはちょっとわからない。議事録で見ますと、そういう答弁はしていないようでございますので、今、所長がしたような答弁をしておりまして、これは権限が及びませんとか、及びますとか、こういった議員がおっしゃるような明確なことはしておりません。
ただ、今、話がありましたように思い起こしてみますと、県が指導した、それを市があくまでもそのことについて、県から指導したが改善はどうですかという、そういうことはできますが、徹底した指導、徹底したといいましょうか、なんといいますかね。一つの給与改善について指導がありましたが、それは、そのとおりしなさい、こういうそういった具体的な指導がきていれば別ですけれども、こうしたものについては、指導が来ていれば、その指導どうりやりなさいという指導はできますと、こういうことであって、何も突っ込んで経営上の中まで足を踏み込んでやる指導はないということを私はこの前も申し上げたと思っております。
八番(平原光則君)市長の今の見解ですが、それはちょっと、国の方のこういう通達なりと全然違いますね。そのことを繰り返していたら時間もありませんので、そこら辺は、今後、福祉事務所の方も恐らく厚生労働省の通知がきていると思うので、私が照会したからですね。それに沿って、ぜひ認識を改めていただいて、福祉施設がどうあるべきかという根幹に触れることですから、それから、公設民営ということになりますと行革の問題も絡んでまいりますから、公の施設の管理者としてどうあるべきかということを勉強していただければありがたいと思います。
それから、参考に申し上げますと、神戸市の方が乳幼児の施設を民間に委託をしまして、人身等の事故等があって、最高裁で市で払いなさいということが最高裁の判決が出ているわけです。これは地方自治法の二百四十条の二、あるいは福祉法の十八条、こういったところを総合的に勘案して市の方に及ぶぞということです。
ですから、今市長がおっしゃったようなこととは違うんです。ぜひ、理解をしていただきたい。
次、時間がありませんので、ダチョウの問題について質問をさせていただきたいと思います。ダチョウの問題については、十二月議会でもあるいは、また、今回の磯江議員等の質問の中でもありますが、本来、ダチョウの飼育場の問題で一職員のことでこうやって取り上げること自体が、僕はあまり好ましいことではないと思います。
つまり、ダチョウを産業化していくというそういう振興策について、もっと突っ込んだ議論をして、その方向づけを議会等でもしっかりと詰めていくということが一番いい姿でしょうが。しかし、ダチョウの産業化に向けて振興を図る上においての前提条件となるのは、あそこの飼育場、土地の問題です。
ですから、そういう土地条件、前提になる条件等を整備しない限り、ダチョウの振興化、産業化ということにはなりませんね。そういう意味で、私は一、二、質問をしたいと思います。
先ほどの市長答弁では、県の方に照会をして農業委員会に協議をしているということでしたので、それはもちろん法の運用、見解といったものですから、それはそれなりに理解できますので結果を注目してみたいと思います。
ただ、助役、総務課長、あるいは総務課参事でもよろしいのですが、飼育場の所有者である市の職員の行為が非常に問題です。現実、農地法第三条の許可申請の段階でも、ダチョウを飼育して販売するから土地を取得したいと、許可をしてほしいと。そういう申請が出て、農業委員会は妥当という判断をしているわけですから、そのとおりに農地を利活用しないと、あるいは養畜等に供しないと法に触れるわけです。
あるいはまた、埋め立てを県の方から土量を市の方で埋め立てをするからうんぬんというような理由をつけて、あたかも公用でやるかのように偽って、それを埋め土に利用している。あるいは重機を運転をしたり、そういったこともしているみたいですが、そういったところから見ると、地公法でいうと信用失墜、こういったものに値すると思うのですけれども、助役なり総務課長で結構ですが、当局の見解を、地公法との兼ね合いを、見解を聞かせてください。
助役(弓削孝幸君)今、言われました、信用失墜行為に当たるかどうか、この件につきましては、もう少し事実関係を把握して対処していく必要があるだろうというふうに思っております。
八番(平原光則君)このダチョウの飼育場のことで毎回こういうふうに申し上げるのもなかなか私もつらいんですけれども、前段で言いましたように、ぜひこういったような条件整備をしないと、市民の注目をしているところですから。
それから、農政課長にちょっとお尋ねします。最近の雨で、汚水等が周辺の農地等に流出をしていると、所有者等から苦情等も議員さんを通じて出ているみたいで、市は一体何しよっとかと。こういうのが、一方で批判が出ているみたいです。そういう事実があるかどうか、教えてください。
農政課長(押川延夫君)その事実に関しまして、私たちも調査を行っております。一度、大雨のときに見に行きました。そのときには、確かに漏った状態の中では、道路に少し出ていたというようなことは認めます。
それから、排水路に流れているんではないかというような御指摘の点もあるんではないかと考えておりますが、その点につきましては、農政課、それから農業委員会、耕地課というような所で、立ち会いのもとにずっと週末まで見てまいりましたけれども、あそこの土砂によって埋まったというような事実はないんではないかなというふうに考えております。
ただ、御指摘のように、排水対策に対しましては、万全な対策をとるようにというような指導的な立場もございますから、所有者に対しまして溝等の土砂上げ、それから排水の対策、土砂が道路に流れないように、他人の土地に影響を及ぼさないようにというような指導をしておりまして、伺っているところによりますと、ますあたりを用意しまして、土砂が流れないような形で自分の土地の中で排水をきれいにしていくというような形はとりたいというふうに申している状況でございます。以上でございます。
八番(平原光則君)そういうことで、周辺の農地に被害を及ぼさないというのが大前提ですから、ぜひそういったような周知徹底を図られるように希望しておきたいと思います。
それから、農業委員会にお尋ねしますが、答弁は結構です。この前、磯江議員に対する質問の中で、あそこの飼育場は例外措置にする云々というのがありましたけども、これも前代未聞といいましょうか。勧告を出しておきながら、ここを例外措置にするというのは、私はどうしても納得できないんですが。ぜひ、農業委員会等でもう一度、農業委員会としての役割といいましょうか、立場といいましょうか、そこら辺、原点に返ってそういう農地法第三条の取得の経過、そして、ダチョウ協議会が利用した、又貸しという言葉は必ずしも適当ではないですが、そういうように転貸しをしたということ等を含めて、農業委員会としては許可官庁としてどう対応すべきかということを再度検討をされるように希望をしておきたいと思います。
それから、同じくダチョウ飼育場でいろいろと関係課で協議した結果、排水溝等の整備をやるということが決まったようですけど、その内容等を聞かせてください。
農政課長(押川延夫君)今、申し上げましたように農道に関します部分につきましては、もともとは土地改良組合ですか、そういった所が管理をする。それから受益者が管理をするというのが建前でございますから、そういう対応をするようにというようなことは決めたところです。
ただ、大きな補修とか、そういったものに関しましては、市で対応等をお願いするというようなことも想定しているというような状況がございます。ただ、市道に関しましては、市道の側溝でございますから、ある程度、市で維持管理をしてもらうというような形を考えているところでございます。以上でございます。
八番(平原光則君)私が聞いているのは、排水溝の整備を市の方でやるということをお決めになったようですが、その内容を聞かせてくださいと言っているわけです。
農政課長(押川延夫君)耕地課等と協議した中では、最初は、市もある程度対応しましょうというようなことでございましたけれども、いろいろな状況を勘案いたしまして所有者でやるというような状況になったところでございます。所有者で対応しております。以上でございます。
八番(平原光則君)それから、総務課の参事がみえていますか、ちょっと質問したいんですが。磯江議員の質問の中で、農業の営業関係の許可、任命権者の許可の件ですけれども、営業目的としない農業は許可不要だと、こういうことですが、この例の場合は、先ほどもちらっと触れましたようにダチョウを飼育をして販売をすると、こういうことの目的が明確になっているわけです。これでも許可は要らないのか。許可が要るとすれば、許可を受けているのかどうか。そこら辺の見解をお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。
総務課参事(田村利和君)それでは、お答え申し上げます。
通常は、先ほど議員がおっしゃいましたとおり、農業委員会の許可というのが前提になります。職員が農地を取得し、その中で今回のように販売をするという目的そのものにつきましては、その後の販売の形態、それが通年であったり臨時的であったりとかいろいろ形態があるんですが、今回のような場合につきましては販売で収入を得るということにつきましては、営利企業の方に当たるということで本来的には任命権者の許可を得るという手続きは必要になります。
しかしながら、現在、例えば、日南市においても地域的に農家出身の職員がおるという場合が前例がありますが、本市の場合はすべての職員に、例えば、七反、八反ありまして、そのうち販売農家が幾らかの米を拠出するという場合は、当然、販売収入があるわけですので任命権者の許可が要ります。その許可をするような手続きを、現在、本市を含めてそこまで市職員に指導はしておりません。
本来的には、議員がおっしゃるとおり許可をするかどうか、またその前段につきましては、そういう形態を見ながら実際的には許可が要るような状況であればやはり任命権者の方に許可を申請して許可を得て、兼業といいますか農業をするという状況でありますが、今回の場合は、そこまで手続きはしておりません。
以上でございます。
議長(井戸川 宏君)以上で、平原光則議員の自由質問を終結し、市政に対する一般質問のすべてを終結いたします。
次に移ります。
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*日程第二 請願・陳情の各常任委員会付託の件
議長(井戸川 宏君)次は、日程第二 請願陳情の各常任委員会付託の件を議題といたします。お手元の請願陳情文書表のとおり、六件の請願及び陳情が提出されましたので、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
─────────────── ○ ───────────────
次に移ります。
*日程第三 議決休会の件
議長(井戸川 宏君)次は、日程第三 議決休会の件を議題といたします。
お諮りいたします。
明十四日から二十五日までの十二日間は、委員会審査及び休日のため休会にしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
議長(井戸川 宏君)異議なしと認めます。
よって、お諮りしましたとおり決定しました。
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*諸報告
議長(井戸川 宏君)以上で、本日の日程はすべて終了いたしました。
次の本会議は、二十六日に開きます。
─────────────── ○ ───────────────
*散会
議長(井戸川 宏君)これをもって本日の会議を散会いたします。
なお、このあと直ちに議会運営委員会が開催されますので、関係者は応接室にお集まりください。
お疲れさまでございました。
=散会 午後四時四十三分=
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